知人の北朝鮮外交官は「金ハンソル君は16歳の若者に過ぎない。彼の発言をシリアスに受け取る必要はない」という。
金ハンソル君は北朝鮮金正日労働党総書記の長男、金正男氏の息子だ。すなわち、金総書記の孫に当たる。そのハンソル君が、「金総書記の孫という事実は自分に大きな負担を与える」と告白したという。そんな発言を金ハンソル君ではなく、他の北の普通の青年が口にしたら、彼が16歳かどうかなんかは問題ではなく、危険分子として彼とその家族は政治収容所送りになる可能性が出てくるところだ。
金ハンソル君は過去、もっと刺激的な発言を繰り返してきたが、知人は一貫として「16際の青年に過ぎない」と説明し、ハンソル君の発言内容をあえて問わなかった。
そこで当方は、「16歳はその発言内容に責任を持つべき年齢か」を考えた。例えば、当方が住むオーストリアでは数年前から16歳から選挙権が付与されるようになった。すなわち、「どの政党が国にとって良いか」「どの政治信条がいいか」等の判断ができる年齢という前提がある。選挙権の年齢下げについて当時、是非論はあったが、大きな反対はなく認められた(「『16歳の選挙権』を問う」2007年5月18日参照)。
さて、これまでメディアで報道されたハンソル君の発言録を振り返ると、「共産主義より民主主義がいい」「国民が飢餓で苦しんでいることに心の痛みを感じる」といった類だ。その判断、その見解は立派だ。ハンソル君がオーストリア国籍を有していたら直ぐ選挙権を獲得できるだろう。
テーマを戻す。知人の「16歳の若者に過ぎない」という発言は金ハンソル君に対して北側が選択できる唯一の見解かもしれない。さもなければ、北当局は彼を処罰しなければならなくなる。しかし、そんなことは出来ない。金総書記の孫を政治収容所に送ったり、処刑することは出来ない。
もちろん、北当局はハンソル君と民主主義や飢餓について議論できない。そこで「16歳の若者に過ぎない」という立場をキープして、同君の発言を「真剣に受け取らず、無視する」ことになるわけだ。
最後に、北の金王朝が今後も存続し、ハンソル君が17歳、18歳、19歳、20歳、25歳、30歳と成長していった場合のケースだ。「30歳の若者に過ぎない」といってその発言内容を無視し続けるだろうか。それとも、ハンソル君自身が自己検閲をして発言内容を抑制するようになるかもしれない。
いずれにしても、ハンソル君がモスタルの国際学校で2年間、何を学ぶか、非常に興味あるところだ。
金ハンソル君は北朝鮮金正日労働党総書記の長男、金正男氏の息子だ。すなわち、金総書記の孫に当たる。そのハンソル君が、「金総書記の孫という事実は自分に大きな負担を与える」と告白したという。そんな発言を金ハンソル君ではなく、他の北の普通の青年が口にしたら、彼が16歳かどうかなんかは問題ではなく、危険分子として彼とその家族は政治収容所送りになる可能性が出てくるところだ。
金ハンソル君は過去、もっと刺激的な発言を繰り返してきたが、知人は一貫として「16際の青年に過ぎない」と説明し、ハンソル君の発言内容をあえて問わなかった。
そこで当方は、「16歳はその発言内容に責任を持つべき年齢か」を考えた。例えば、当方が住むオーストリアでは数年前から16歳から選挙権が付与されるようになった。すなわち、「どの政党が国にとって良いか」「どの政治信条がいいか」等の判断ができる年齢という前提がある。選挙権の年齢下げについて当時、是非論はあったが、大きな反対はなく認められた(「『16歳の選挙権』を問う」2007年5月18日参照)。
さて、これまでメディアで報道されたハンソル君の発言録を振り返ると、「共産主義より民主主義がいい」「国民が飢餓で苦しんでいることに心の痛みを感じる」といった類だ。その判断、その見解は立派だ。ハンソル君がオーストリア国籍を有していたら直ぐ選挙権を獲得できるだろう。
テーマを戻す。知人の「16歳の若者に過ぎない」という発言は金ハンソル君に対して北側が選択できる唯一の見解かもしれない。さもなければ、北当局は彼を処罰しなければならなくなる。しかし、そんなことは出来ない。金総書記の孫を政治収容所に送ったり、処刑することは出来ない。
もちろん、北当局はハンソル君と民主主義や飢餓について議論できない。そこで「16歳の若者に過ぎない」という立場をキープして、同君の発言を「真剣に受け取らず、無視する」ことになるわけだ。
最後に、北の金王朝が今後も存続し、ハンソル君が17歳、18歳、19歳、20歳、25歳、30歳と成長していった場合のケースだ。「30歳の若者に過ぎない」といってその発言内容を無視し続けるだろうか。それとも、ハンソル君自身が自己検閲をして発言内容を抑制するようになるかもしれない。
いずれにしても、ハンソル君がモスタルの国際学校で2年間、何を学ぶか、非常に興味あるところだ。