ドイツで国際サッカー連盟(FIFA)主催の第6回女子サッカー世界選手権(W杯)が今月26日から来月17日まで開催されるが、それに先立ち、北朝鮮女子サッカー選手を描いたドキュメント映画「ハナ・ドゥル・セッ」(1、2、3)がドイツ国内で今月9日から15カ所の映画館で上演されている。
 同映画は2009年の第47回ウィーン国際映画祭(ヴィエナーレ)に出品され、オーストリア国内で上演されたが、今回は女子サッカーW杯がドイツで開催されるのを契機に、ドイツ国内で再上演される運びとなったわけだ。
 ドキュメント映画「ハナ・ドゥル・セッ」(Hana Dul Sed)は上演時間98分、制作監督ブリギッテ・ヴァィヒ女史、配給会社は「Ri Filme」社だ。舞台は北朝鮮。テーマは北朝鮮女子サッカー選手の夢と現役後の日々だ。
 主人公は4人の女子サッカー選手。彼女らは北朝鮮ナショナル・チームに属する。4人は日々平壌で厳しいトレーニングに励む。北朝鮮女子チームは勝利を重ね、世界ベスト10まで飛躍したが、アテネ五輪大会予選で敗北。4人のサッカー人生は即終わり、ナショナル・チームから解雇された。その後、4人はサッカーとはまったく関係のない世界で生活をする。
 4人は再会する機会がほとんどないが、会えばサッカーの練習で明け暮れた日々が懐かしく思い出される。政治やイデオロギー色の少ないドキュメント・フィルムだ。
 監督のブリギッテ・ヴァィヒ女史が撮影開始して7年間の月日を投入して完成した映画だ。
 ちなみに、北朝鮮女子チームも今回のドイツW杯(22カ国チーム)に参加する。日本の「なでしこジャパン」も6回連続出場だ。優勝の有力候補は前回(07年)の覇者ドイツチームとそのライバル・米国チームだ。それにダークホースとして中国チームが挙げられるだろう。