英国中部の大都市マンチェスターのシナゴーグ前で2日午前9時半(現地時間)、襲撃テロ事件が発生し、警察によると、2人が死亡、3人が重傷を負った。容疑者は35歳のシリア系英国人で警察官に射殺された。事件との関連で男性2人と女性1人が拘束されたーーこのコラム欄でここまでは報告したが、警察当局が3日発表したところによると、ジハード・アル・シャミー容疑者は強姦容疑で逮捕後、保釈中だったというのだ。

▲ネタニヤフ首相は、イスラエル宇宙局(ISA)の新任の長官、デイヴィッド・ジニ退役少将との最初の実務会議を開催、2025年10月5日、イスラエル首相府公式サイトから
強姦容疑の人間が保釈金を払うことで釈放されたのか、誰が保釈金を払ったのか、それとも強姦容疑が証拠不十分で保釈されたのか、等々の疑問が出てくる。
BBCによると、警察は、アル・シャミー容疑者が「過激なイスラム主義イデオロギー」の影響を受けていた可能性があるとみており、18歳から40代半ばの容疑者3人をテロ行為の実行、準備、扇動の疑いで新たに逮捕したと発表している。
シナゴーグ襲撃テロ事件で死者の2人のうち1人は警察官が発砲した流れ弾が当たって亡くなったことが判明した。容疑者は犯行時にはナイフを所持していたが、拳銃はもっていなかったことから、銃弾は警察官が発砲した流れ弾と断言できるわけだ。又、重傷者の1人は同じように拳銃の発砲で怪我したことが分かっている。すなわち、シナゴーグ襲撃テロ事件では、容疑者を取り押さえるために発砲した警察側の銃弾で1人が死亡、1人が重傷を負ったことになる。
事件現場で容疑者と対峙した警察官を批判するわけではないが、警察側の対応に問題がなかったかを検証する必要があるかもしれない。ただ、容疑者がシナゴーグに入るのを命がけで阻止した警備員と警察官の功績は評価すべきだ。
ところで、事件とは直接の関連はないが、ロンドンで3日、親パレスチナのデモが行われた。デモは「パレスチナ・アクション」という団体がテロ組織に指定されたことに対する抗議目的だった。ロンドン警視庁はプラットフォームXで、禁止団体を支援したとして492人が逮捕されたと発表している。
「パレスチナ・アクション」は、活動家が空軍基地に侵入し、英国空軍機にスプレーでペイントした後、7月初旬にテロ組織に指定された。警察当局は、シナゴーグ襲撃テロ事件が発生した直後ということもあって、ロンドンのトラファルガー広場で行われた抗議活動の中止を主催者側に要請していた。
以下は当方の私見だ。
「シェルドレイクの仮説」がある。このコラム欄でも一度紹介したが、イギリスの元ケンブリッジ大学フェロー、生物学者、超心理学者のルパート・シェルドレイクが唱えた仮説で、離れた場所に起こった出来事が、他方の出来事に影響し、形態のみならず、行動パターンも共鳴するというのだ。これらは「形の場」による「形の共鳴」と呼ばれるプロセスによって起こる。
例えば、「祈り」も祈る人の周辺だけではなく、時空を超えて伝達されていくように、憎悪、恨みも同様だろう。そして反ユダヤ主義の拡散も同じメカニズムが働いているのではないか。
イスラエル軍のガザ戦争で多くのパレスチナ人が犠牲となっているが、それを受け、欧米各地で反ユダヤ主義的抗議デモが行われている。その抗議デモ参加者の声、憎悪というエネルギーも時空を超えて拡散していくのではないか。人の言動、エネルギーは決して完全に消滅することはないからだ。
イスラエルの著名な社会学者、エヴァ・イルーズ女史は独週刊誌シュピーゲル最新号で、最近の国際社会の反イスラエル報道の洪水について、「イスラエルへの憎悪が美徳とみなされてきた」と指摘している。反イスラエル、反ユダヤ主義は伝染するのだ。

▲ネタニヤフ首相は、イスラエル宇宙局(ISA)の新任の長官、デイヴィッド・ジニ退役少将との最初の実務会議を開催、2025年10月5日、イスラエル首相府公式サイトから
強姦容疑の人間が保釈金を払うことで釈放されたのか、誰が保釈金を払ったのか、それとも強姦容疑が証拠不十分で保釈されたのか、等々の疑問が出てくる。
BBCによると、警察は、アル・シャミー容疑者が「過激なイスラム主義イデオロギー」の影響を受けていた可能性があるとみており、18歳から40代半ばの容疑者3人をテロ行為の実行、準備、扇動の疑いで新たに逮捕したと発表している。
シナゴーグ襲撃テロ事件で死者の2人のうち1人は警察官が発砲した流れ弾が当たって亡くなったことが判明した。容疑者は犯行時にはナイフを所持していたが、拳銃はもっていなかったことから、銃弾は警察官が発砲した流れ弾と断言できるわけだ。又、重傷者の1人は同じように拳銃の発砲で怪我したことが分かっている。すなわち、シナゴーグ襲撃テロ事件では、容疑者を取り押さえるために発砲した警察側の銃弾で1人が死亡、1人が重傷を負ったことになる。
事件現場で容疑者と対峙した警察官を批判するわけではないが、警察側の対応に問題がなかったかを検証する必要があるかもしれない。ただ、容疑者がシナゴーグに入るのを命がけで阻止した警備員と警察官の功績は評価すべきだ。
ところで、事件とは直接の関連はないが、ロンドンで3日、親パレスチナのデモが行われた。デモは「パレスチナ・アクション」という団体がテロ組織に指定されたことに対する抗議目的だった。ロンドン警視庁はプラットフォームXで、禁止団体を支援したとして492人が逮捕されたと発表している。
「パレスチナ・アクション」は、活動家が空軍基地に侵入し、英国空軍機にスプレーでペイントした後、7月初旬にテロ組織に指定された。警察当局は、シナゴーグ襲撃テロ事件が発生した直後ということもあって、ロンドンのトラファルガー広場で行われた抗議活動の中止を主催者側に要請していた。
以下は当方の私見だ。
「シェルドレイクの仮説」がある。このコラム欄でも一度紹介したが、イギリスの元ケンブリッジ大学フェロー、生物学者、超心理学者のルパート・シェルドレイクが唱えた仮説で、離れた場所に起こった出来事が、他方の出来事に影響し、形態のみならず、行動パターンも共鳴するというのだ。これらは「形の場」による「形の共鳴」と呼ばれるプロセスによって起こる。
例えば、「祈り」も祈る人の周辺だけではなく、時空を超えて伝達されていくように、憎悪、恨みも同様だろう。そして反ユダヤ主義の拡散も同じメカニズムが働いているのではないか。
イスラエル軍のガザ戦争で多くのパレスチナ人が犠牲となっているが、それを受け、欧米各地で反ユダヤ主義的抗議デモが行われている。その抗議デモ参加者の声、憎悪というエネルギーも時空を超えて拡散していくのではないか。人の言動、エネルギーは決して完全に消滅することはないからだ。
イスラエルの著名な社会学者、エヴァ・イルーズ女史は独週刊誌シュピーゲル最新号で、最近の国際社会の反イスラエル報道の洪水について、「イスラエルへの憎悪が美徳とみなされてきた」と指摘している。反イスラエル、反ユダヤ主義は伝染するのだ。
