クレムリンによると、ロシアのプーチン大統領は4日、ローマ・カトリック教会のローマ教皇レオ14世と初の電話会談を行い、ウクライナ情勢と平和について意見の交換をした。

▲ロシア軍の攻撃を受けて破壊されたウクライナの風景、2025年6月4日、バチカンニュースから
バチカンニュース(独語版)は4日付で写真を掲載して報じているが、詳細な内容については全く言及していない。その写真もロシア軍の攻撃で破壊されたウクライナの荒廃した風景写真だ。外国首脳との電話会談を報じる記事にこのような写真を掲載することは非常に珍しい。レオ14世は教皇就任以来、ロシア軍の侵略戦争として明確に非難し、終結をモスクワに要請してきた。
興味深い点は、同電話会談がクレムリンのイニシャチブからか、バチカンからかについては、両者とも明確には報じていない。ただ、同電話会談を報じるクレムリン側の内容から、両者の電話会談がクレムリンからの要請を受けて実現されたものと推測される。
クレムリン公式サイトによると、「プーチン大統領は新教皇の成功を祈り、両者は、より公正な世界秩序の構築を目指し、共通の精神的・道徳的価値観に基づき、この絆をさらに発展させるための努力を追求することで合意した。両者は、文化・人道問題における協力の深化、そして世界中、特に中東におけるキリスト教徒とキリスト教の聖地の保護に向けた相互のコミットメントを表明した。また、ロシア正教会のキリル総主教からの祝辞を伝えた」という。
同時に、プーチン大統領は、キーウ政権が紛争のエスカレートを企て、ロシア領内の民間インフラへの破壊工作を行っていると指摘し、「ウクライナ側が最近行った民間人に対する意図的かつ標的を絞った攻撃は、国際法上、明確にテロ行為と定義される」と強調した。
また、ウクライナ政権がウクライナ正教会の解体に尽力しているとして、聖座がウクライナにおける宗教の自由を支持する発言をより積極的に行うことを期待する旨を表明した。ウクライナ側が国内のロシア正教会寄りのウクライナ正教会の活動禁止措置を取ったことに言及したもの。ウクライナ指導部は、ウクライナ国内の正教会の司教や司祭の多くがモスクワと密接な関係にあるため、同教会を安全保障上のリスクとみなして活動を禁止した経緯がある。
クレムリンの声明によると、プーチン大統領は教皇に対し、トルコのイスタンブールで2日、開催されたロシア・ウクライナ直接協議について、両国が捕虜と戦死者の交換で合意に達したこと、ウクライナの子どもたちを家族と再会させるためにあらゆる可能な措置を講じていることを伝達している。
ちなみに、トランプ米大統領は、ウクライナ紛争の和平交渉の場としてバチカンを提案し、レオ14世もこれに賛成しているが、モスクワはこれを拒否した。ロシアのラブロフ外相は「ロシア正教を信仰する二つの国(ロシアとウクライナ)がカトリック教会(バチカン)の仲介で紛争を解決すべきではない」と述べている。
一方、バチカン側の報道によると、教皇とプーチン大統領は「ウクライナ情勢と平和」について話し合われたという。「ローマ教皇はロシアに対し、平和を促進する行動をとるよう訴え、両当事者間の前向きな関係を構築し、紛争の解決策を見出すための対話の重要性を強調した」と報じている。また、「レオ14世がプーチン大統領との電話会談でモスクワ正教会総主教キリルにも言及し、就任当初のキリル1世の好意的な発言に感謝し、「キリスト教の価値観を共有することが、平和の探求、生命の擁護、そして真の信教の自由の探求にいかに役立つ」と改めて強調したという。
キリル1世はプーチン氏の戦争を全面的に支援している宗教指導者だ。キリル1世はプーチン大統領のウクライナ戦争を「形而上学的な闘争」と位置づけ、ロシア側を「善」として退廃文化の欧米側を「悪」とし、「善の悪への戦い」と解説してきた。キリル1世はウクライナの首都キーウは“エルサレム”だと主張し、「ロシア正教会はそこから誕生したのだから、その歴史的、精神的繋がりを捨て去ることはできない」と主張し、ロシアの敵対者を「悪の勢力」と呼び、ロシア兵士に闘うように呼び掛けてきた張本人だ。

▲ロシア軍の攻撃を受けて破壊されたウクライナの風景、2025年6月4日、バチカンニュースから
バチカンニュース(独語版)は4日付で写真を掲載して報じているが、詳細な内容については全く言及していない。その写真もロシア軍の攻撃で破壊されたウクライナの荒廃した風景写真だ。外国首脳との電話会談を報じる記事にこのような写真を掲載することは非常に珍しい。レオ14世は教皇就任以来、ロシア軍の侵略戦争として明確に非難し、終結をモスクワに要請してきた。
興味深い点は、同電話会談がクレムリンのイニシャチブからか、バチカンからかについては、両者とも明確には報じていない。ただ、同電話会談を報じるクレムリン側の内容から、両者の電話会談がクレムリンからの要請を受けて実現されたものと推測される。
クレムリン公式サイトによると、「プーチン大統領は新教皇の成功を祈り、両者は、より公正な世界秩序の構築を目指し、共通の精神的・道徳的価値観に基づき、この絆をさらに発展させるための努力を追求することで合意した。両者は、文化・人道問題における協力の深化、そして世界中、特に中東におけるキリスト教徒とキリスト教の聖地の保護に向けた相互のコミットメントを表明した。また、ロシア正教会のキリル総主教からの祝辞を伝えた」という。
同時に、プーチン大統領は、キーウ政権が紛争のエスカレートを企て、ロシア領内の民間インフラへの破壊工作を行っていると指摘し、「ウクライナ側が最近行った民間人に対する意図的かつ標的を絞った攻撃は、国際法上、明確にテロ行為と定義される」と強調した。
また、ウクライナ政権がウクライナ正教会の解体に尽力しているとして、聖座がウクライナにおける宗教の自由を支持する発言をより積極的に行うことを期待する旨を表明した。ウクライナ側が国内のロシア正教会寄りのウクライナ正教会の活動禁止措置を取ったことに言及したもの。ウクライナ指導部は、ウクライナ国内の正教会の司教や司祭の多くがモスクワと密接な関係にあるため、同教会を安全保障上のリスクとみなして活動を禁止した経緯がある。
クレムリンの声明によると、プーチン大統領は教皇に対し、トルコのイスタンブールで2日、開催されたロシア・ウクライナ直接協議について、両国が捕虜と戦死者の交換で合意に達したこと、ウクライナの子どもたちを家族と再会させるためにあらゆる可能な措置を講じていることを伝達している。
ちなみに、トランプ米大統領は、ウクライナ紛争の和平交渉の場としてバチカンを提案し、レオ14世もこれに賛成しているが、モスクワはこれを拒否した。ロシアのラブロフ外相は「ロシア正教を信仰する二つの国(ロシアとウクライナ)がカトリック教会(バチカン)の仲介で紛争を解決すべきではない」と述べている。
一方、バチカン側の報道によると、教皇とプーチン大統領は「ウクライナ情勢と平和」について話し合われたという。「ローマ教皇はロシアに対し、平和を促進する行動をとるよう訴え、両当事者間の前向きな関係を構築し、紛争の解決策を見出すための対話の重要性を強調した」と報じている。また、「レオ14世がプーチン大統領との電話会談でモスクワ正教会総主教キリルにも言及し、就任当初のキリル1世の好意的な発言に感謝し、「キリスト教の価値観を共有することが、平和の探求、生命の擁護、そして真の信教の自由の探求にいかに役立つ」と改めて強調したという。
キリル1世はプーチン氏の戦争を全面的に支援している宗教指導者だ。キリル1世はプーチン大統領のウクライナ戦争を「形而上学的な闘争」と位置づけ、ロシア側を「善」として退廃文化の欧米側を「悪」とし、「善の悪への戦い」と解説してきた。キリル1世はウクライナの首都キーウは“エルサレム”だと主張し、「ロシア正教会はそこから誕生したのだから、その歴史的、精神的繋がりを捨て去ることはできない」と主張し、ロシアの敵対者を「悪の勢力」と呼び、ロシア兵士に闘うように呼び掛けてきた張本人だ。