バチカン教皇庁は1日、フランシスコ教皇の38回目の海外訪問として中央アジアのカザフスタン訪問を公表した。フランシスコ教皇はカザフの首都ヌルスルタンに滞在し、世界の宗教指導者が出席する第7回世界宗教指導者会議(「主要および伝統的宗教の指導者会議」)に参加する。世界宗教指導者会議は、2003年以来ほぼ3年ごとにカザフスタンで開催されている。カザフは1998年、中央アジアの国としては初めてバチカンとの間で一種の政教条約(コンコルダート)に署名している。

▲第7回世界宗教指導者会議が開催されるカザフスタンの首都ヌルスルタン(バチカンニュース独語版2022年8月1日から)
訪問日程は9月13日〜15日。短い滞在期間中、公式、非公式の会合のほか、礼拝(ミサ)も行われる予定だ。フランシスコ教皇はカナダ訪問から帰途の機内で記者団に答え、「カザフの訪問は問題がない」と答えている。これは教皇自身の健康問題に関連するもので、先月24日から6日間の日程のカナダ司牧訪問と比べ、3日間の短期間のカザフ訪問は問題ないというわけだ。
ちなみに、フランシスコ教皇は変形性膝関節症に悩まされている。膝の関節の軟骨の質が低下し、少しずつ擦り減り、歩行時に膝の痛みがある。最近は一般謁見でも車椅子で対応している。「手術をしたらどうですか」という医者の声に対し、南米出身の教皇は、「膝の手術を受けるよりも辞任したい」とイタリアの司教たちとの会合で呟いたという。
バチカンニュースによると、世界からさまざまな宗教の指導者が集まる「第7回指導者会議」では、「人間存在の揺るぎない原則としての平和、調和、寛容の再確認」と、「紛争や敵意をエスカレートさせるために人々の宗教的感情を利用する問題について」などを討論する。
バチカンが公表したカザフ訪問の日程によると、教皇は首都ヌルスルタンにずっと滞在する。この大都市は、2019年3月までアスタナと呼ばれていた。イシム川のほとりに位置し、さまざまな国籍、多くの宗教が存在する。
フランシス教皇は、9月13日午前7時過ぎ、ローマ・フィウミチーノを出発し、ヌルスルタンに到着し、午後5時45分(現地時間)に公式歓迎が行われ、大統領官邸で歓迎式典に臨む。また、カザックコンサートホールでカシム・ジョマルト・トカエフ共和国大統領への表敬訪問が行われた後、政府関係者、市代表、外交団との会談が行われる。
9月14日には、宗教指導者が会議に出席し、平和と和解の宮殿で黙とうを捧げ、宗教指導者会議の幕が開く。イベントの本会議の冒頭で、フランシス教皇は演説を行い、さまざまな宗派の代表者と会合する。そして同日午後、教皇は万博広場でミサを行うことになっている。
カザフ訪問の最終日15日、教皇は使徒教区でその地域のイエズス会士の関係者と会合する。会議は非公開だ。カザフ滞在最後のイベントは、平和と和解の宮殿で行われ、宗教指導者会議を閉会する最終宣言が読み上げられる。その後、教皇はヌルスルタン国際空港に向かい、ローマに帰国の途となる。
注目される点は、カザフで開催される世界宗教指導者会議でフランシスコ教皇とロシア正教会最高指導者キリル1世との会合のチャンスについてだ。バチカン側は何も明らかにしていない。キリル1世が世界宗教指導者会議に参加することはほぼ間違いない。
なお、ウクライナ戦争に関して、カシム・ジョマルト・トカエフ大統領は6月17日、サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムの全体会合でプーチン大統領と会合したが、ロシアが国家承認した親露派武装勢力「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」をカザフは正式な国家と認めないと表明、ウクライナ戦争にも反対の姿勢を強調して注目されたばかりだ。
世界各地から多くの宗教指導者が結集し、世界の平和と調和のために話し合うことは大切だ。世界はここ数年、新型コロナウイルスのパンデミック、ウクライナ戦争、食料・エネルギー供給問題から地球温暖化問題まで多数の難問に直面し、その解決の糸口を模索している。それだけに、世界宗教の指導者は宗派,教派の違いを超え、世界の閉塞感を打破するために胸襟を開いて話し合ってほしい。宗教指導者の真価が問われる。

▲第7回世界宗教指導者会議が開催されるカザフスタンの首都ヌルスルタン(バチカンニュース独語版2022年8月1日から)
訪問日程は9月13日〜15日。短い滞在期間中、公式、非公式の会合のほか、礼拝(ミサ)も行われる予定だ。フランシスコ教皇はカナダ訪問から帰途の機内で記者団に答え、「カザフの訪問は問題がない」と答えている。これは教皇自身の健康問題に関連するもので、先月24日から6日間の日程のカナダ司牧訪問と比べ、3日間の短期間のカザフ訪問は問題ないというわけだ。
ちなみに、フランシスコ教皇は変形性膝関節症に悩まされている。膝の関節の軟骨の質が低下し、少しずつ擦り減り、歩行時に膝の痛みがある。最近は一般謁見でも車椅子で対応している。「手術をしたらどうですか」という医者の声に対し、南米出身の教皇は、「膝の手術を受けるよりも辞任したい」とイタリアの司教たちとの会合で呟いたという。
バチカンニュースによると、世界からさまざまな宗教の指導者が集まる「第7回指導者会議」では、「人間存在の揺るぎない原則としての平和、調和、寛容の再確認」と、「紛争や敵意をエスカレートさせるために人々の宗教的感情を利用する問題について」などを討論する。
バチカンが公表したカザフ訪問の日程によると、教皇は首都ヌルスルタンにずっと滞在する。この大都市は、2019年3月までアスタナと呼ばれていた。イシム川のほとりに位置し、さまざまな国籍、多くの宗教が存在する。
フランシス教皇は、9月13日午前7時過ぎ、ローマ・フィウミチーノを出発し、ヌルスルタンに到着し、午後5時45分(現地時間)に公式歓迎が行われ、大統領官邸で歓迎式典に臨む。また、カザックコンサートホールでカシム・ジョマルト・トカエフ共和国大統領への表敬訪問が行われた後、政府関係者、市代表、外交団との会談が行われる。
9月14日には、宗教指導者が会議に出席し、平和と和解の宮殿で黙とうを捧げ、宗教指導者会議の幕が開く。イベントの本会議の冒頭で、フランシス教皇は演説を行い、さまざまな宗派の代表者と会合する。そして同日午後、教皇は万博広場でミサを行うことになっている。
カザフ訪問の最終日15日、教皇は使徒教区でその地域のイエズス会士の関係者と会合する。会議は非公開だ。カザフ滞在最後のイベントは、平和と和解の宮殿で行われ、宗教指導者会議を閉会する最終宣言が読み上げられる。その後、教皇はヌルスルタン国際空港に向かい、ローマに帰国の途となる。
注目される点は、カザフで開催される世界宗教指導者会議でフランシスコ教皇とロシア正教会最高指導者キリル1世との会合のチャンスについてだ。バチカン側は何も明らかにしていない。キリル1世が世界宗教指導者会議に参加することはほぼ間違いない。
なお、ウクライナ戦争に関して、カシム・ジョマルト・トカエフ大統領は6月17日、サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムの全体会合でプーチン大統領と会合したが、ロシアが国家承認した親露派武装勢力「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」をカザフは正式な国家と認めないと表明、ウクライナ戦争にも反対の姿勢を強調して注目されたばかりだ。
世界各地から多くの宗教指導者が結集し、世界の平和と調和のために話し合うことは大切だ。世界はここ数年、新型コロナウイルスのパンデミック、ウクライナ戦争、食料・エネルギー供給問題から地球温暖化問題まで多数の難問に直面し、その解決の糸口を模索している。それだけに、世界宗教の指導者は宗派,教派の違いを超え、世界の閉塞感を打破するために胸襟を開いて話し合ってほしい。宗教指導者の真価が問われる。
宗教の目的を忘れ、自己の権威だけを追い求めていれば破滅の道しかない事は歴史が証明しています。
他者を攻撃することより、愛し許し団結しなければさまざま問題を解決することは出来ないと思います。