アフリカから熱波が欧州大陸を襲い、フランスやスペインで40度を超える文字通りの歴史的な灼熱の日々が続いてきたが、その熱波がアルプスを超え、オーストリアまで広がってきた。オーストリア最西部のフォアアールベルク州のフェルドキルヒで19日、36・5度を記録した。6月の気温としては最高気温だ。今週はその熱風がウィーンにまで広がってくるという。

▲灼熱の太陽と一輪の花(バルコニーから、ウィーンで撮影)
記事になる話題が乏しい時は天気、気象に関連したテーマが取り上げられることが多い。夏季休暇が始まる頃になると、記事枯れのシーズンといわれ、紙面を埋める記事が少ないとデスクが悩む。ただ、この数日間の熱波報道は決して紙面を埋めるための記事ではなく、地球温暖化問題とも関連して深刻なニュースだ。
フォアアールベルク州で36・5度を記録した日、ウィーンでも30度になった。市営プールは子供連れの家族や若者たちで一杯となった。19日にプールを利用した人はウィーン市で6万人という。6月としては記録的だ。ウィーンのメトロ新聞ホイテによると、暑さと戦っているのは人間だけではなく、シェーンブルン動物園では動物たちも日陰を探したり、白熊は水に入って気持ちよさそうに泳いでいる。
気象専門家のマルクス・ヴァドザク氏は、「6月午前に32度というのは正常ではない。6月は最高気温は通常25度前後だ。都市部の6月の気温は過去60年間上昇してきた」と指摘、今年は熱中症で1000人以上が亡くなるかもしれないと予想している。
同氏が推薦する灼熱の日々の過ごし方はシエスタ(Siesta)だ。スペインなど南欧では「昼寝」を意味するシエスタがライフ・スタイルに取り入れられている。シエスタはラテン語だが、昼寝をしなくても、昼食後、午後の仕事を再開する前に、1時間から2時間あまり「昼休み」を取ることを意味する。そして眠気を追っ払い、リフレッシュしてから午後の仕事に取り掛かるわけだ。午後2時ごろ、店に行ったが、閉まっていたという経験をした人もいる。スペインでは午後2時から5時までシエスタで、小売店や会社ではクローズという看板を掲げるところが多いという。
ライフ・スタイル専門家がシエスタのプラス面とマイナス面について説明している。プラス面が多いが、昼寝時間を取りすぎると、仕事が夜遅くまで続く。夜の睡眠にも影響を及ぼすことから、ほどほどの昼寝時間を、と助言している。企業では生産性向上のために積極的にシエスタを取り入れているところもあるという。
当方はここ20年あまり、朝4時ごろには目を覚まし、5時半過ぎにはその日の仕事に入るスケジュールで過ごしてきた。最近は昼ご飯後、疲れがでてきて仕事に集中することが難しく、ぼんやりとすることが多くなった。そこで1時間から2時間程度、昼寝する。外に出かけて、取材したり、人と会う予定がない場合、昼寝後、午後4時か5時ごろから再び仕事に取り掛かる。シエスタという意識はなかったが、実際はシエスタを実践してきた。体調のいい時などは、シエスタなしで夕食までスルーで働く。
このコラム欄で「『地球』に何が起きているのか」(2018年8月8日参考)を書いた。2018年の7月、8月は40度を超える日々も続いた。2019年の夏も欧州で40度を超える灼熱の日々が続いた。マクロン仏大統領は2019年8月22日、先進7カ国首脳会議(G7)開催前の記者会見で、「私たちのハウスは燃えている」というドラマチックな表現で南米ブラジルの熱帯林の大火災について懸念を表明したが、燃えているのは熱帯林だけではなく地球が燃え出したという感じすらあった。
新型コロナウイルスが発生した後はその対策に追われ、夏の暑さについての報道はメディアから一時消えていたが、2022年6月に入ると、再び熱いシーズンの到来を告げる日々が続いてきたわけだ。
いずれにしても、ここ数年で新型コロナウイルスのパンデミック、ウクライナ戦争の勃発に直面し、我々を取り巻く環境では40度を超える灼熱の日々、洪水、山火事の多発、旱魃などの自然災害が頻繁に発生してきた。パニックを煽る意図はないが、過去5年間で自然災害、人災などが集中的に起きている。
旧約聖書の「出エジプト記」には「エジプトの十災禍」の話が記述されている。神がエジプトで奴隷生活をしていたイスラエル人を救うためにエジプトに十の災禍をもたらした、という話だ。コロナ禍、戦争、洪水、山火事、旱魃、灼熱の日々のほか、食糧危機、エネルギー価格の高騰などが続く現在はひょっとしたら「21世紀の十災禍」ではないだろうか。
「エジプトの十災禍」の場合、イスラエル人を神の約束の地カナンに導くという目的があったが、それでは「21世紀の十災禍」の場合、神はわれわれをどこへ導くために災禍をもたらしているのだろうか。
ウィーンは21日午後、33度まで気温が上がるという。シエスタでも取って、「21世紀の十災禍」の目的は何かをジックリと考えてみたい。

▲灼熱の太陽と一輪の花(バルコニーから、ウィーンで撮影)
記事になる話題が乏しい時は天気、気象に関連したテーマが取り上げられることが多い。夏季休暇が始まる頃になると、記事枯れのシーズンといわれ、紙面を埋める記事が少ないとデスクが悩む。ただ、この数日間の熱波報道は決して紙面を埋めるための記事ではなく、地球温暖化問題とも関連して深刻なニュースだ。
フォアアールベルク州で36・5度を記録した日、ウィーンでも30度になった。市営プールは子供連れの家族や若者たちで一杯となった。19日にプールを利用した人はウィーン市で6万人という。6月としては記録的だ。ウィーンのメトロ新聞ホイテによると、暑さと戦っているのは人間だけではなく、シェーンブルン動物園では動物たちも日陰を探したり、白熊は水に入って気持ちよさそうに泳いでいる。
気象専門家のマルクス・ヴァドザク氏は、「6月午前に32度というのは正常ではない。6月は最高気温は通常25度前後だ。都市部の6月の気温は過去60年間上昇してきた」と指摘、今年は熱中症で1000人以上が亡くなるかもしれないと予想している。
同氏が推薦する灼熱の日々の過ごし方はシエスタ(Siesta)だ。スペインなど南欧では「昼寝」を意味するシエスタがライフ・スタイルに取り入れられている。シエスタはラテン語だが、昼寝をしなくても、昼食後、午後の仕事を再開する前に、1時間から2時間あまり「昼休み」を取ることを意味する。そして眠気を追っ払い、リフレッシュしてから午後の仕事に取り掛かるわけだ。午後2時ごろ、店に行ったが、閉まっていたという経験をした人もいる。スペインでは午後2時から5時までシエスタで、小売店や会社ではクローズという看板を掲げるところが多いという。
ライフ・スタイル専門家がシエスタのプラス面とマイナス面について説明している。プラス面が多いが、昼寝時間を取りすぎると、仕事が夜遅くまで続く。夜の睡眠にも影響を及ぼすことから、ほどほどの昼寝時間を、と助言している。企業では生産性向上のために積極的にシエスタを取り入れているところもあるという。
当方はここ20年あまり、朝4時ごろには目を覚まし、5時半過ぎにはその日の仕事に入るスケジュールで過ごしてきた。最近は昼ご飯後、疲れがでてきて仕事に集中することが難しく、ぼんやりとすることが多くなった。そこで1時間から2時間程度、昼寝する。外に出かけて、取材したり、人と会う予定がない場合、昼寝後、午後4時か5時ごろから再び仕事に取り掛かる。シエスタという意識はなかったが、実際はシエスタを実践してきた。体調のいい時などは、シエスタなしで夕食までスルーで働く。
このコラム欄で「『地球』に何が起きているのか」(2018年8月8日参考)を書いた。2018年の7月、8月は40度を超える日々も続いた。2019年の夏も欧州で40度を超える灼熱の日々が続いた。マクロン仏大統領は2019年8月22日、先進7カ国首脳会議(G7)開催前の記者会見で、「私たちのハウスは燃えている」というドラマチックな表現で南米ブラジルの熱帯林の大火災について懸念を表明したが、燃えているのは熱帯林だけではなく地球が燃え出したという感じすらあった。
新型コロナウイルスが発生した後はその対策に追われ、夏の暑さについての報道はメディアから一時消えていたが、2022年6月に入ると、再び熱いシーズンの到来を告げる日々が続いてきたわけだ。
いずれにしても、ここ数年で新型コロナウイルスのパンデミック、ウクライナ戦争の勃発に直面し、我々を取り巻く環境では40度を超える灼熱の日々、洪水、山火事の多発、旱魃などの自然災害が頻繁に発生してきた。パニックを煽る意図はないが、過去5年間で自然災害、人災などが集中的に起きている。
旧約聖書の「出エジプト記」には「エジプトの十災禍」の話が記述されている。神がエジプトで奴隷生活をしていたイスラエル人を救うためにエジプトに十の災禍をもたらした、という話だ。コロナ禍、戦争、洪水、山火事、旱魃、灼熱の日々のほか、食糧危機、エネルギー価格の高騰などが続く現在はひょっとしたら「21世紀の十災禍」ではないだろうか。
「エジプトの十災禍」の場合、イスラエル人を神の約束の地カナンに導くという目的があったが、それでは「21世紀の十災禍」の場合、神はわれわれをどこへ導くために災禍をもたらしているのだろうか。
ウィーンは21日午後、33度まで気温が上がるという。シエスタでも取って、「21世紀の十災禍」の目的は何かをジックリと考えてみたい。
その温暖化をIPCCが言うような、気温の上昇だけで説明しようとするのは間違いです。
温暖化とは、単に気温が上がるだけでなく、地球の保有熱量が増大する現象だからです。
その熱は、海域に蓄えられます。
海水温が上がって、水分蒸発量が増えて、大気中の保有熱量も増えます。水蒸気は、空気の600倍の熱量を保有しているからです。
この結果、強力な低気圧と巨大な高気圧が生まれます。
強力な低気圧によって吹き上げられた水蒸気と空気が広大な地域に降ってくる循環が生まれるのです。
その結果、猛烈な暴風や漏れ綱雨や水害が起きる地域と、熱暑旱魃が発生する地域が同時に地球上に存在するのです。
水蒸気を吹き上げるためのエネルギーと同じだけのエネルギーが降下気流を生むからです。
一方で、自然界では、人発生量の10倍の炭酸ガスが常に発生し循環しています。
気温が1℃上がるとその10%発生量が増えます。
高温地域と低温地域が同じ面積なら、終始ゼロですが、自然降下で起きる高気圧の影響を受ける面積の方が遙かに大きいので、炭酸ガスの発生が増える面積の方が大きくなって、あっという間に人為発生量の総量より大きな量の炭酸ガスが自然界で発生してしまうのです。
つまり温暖化対策など無意味です。
其れが自然現象です。