新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお付き合いをお願いします。


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▲ウィーンの初雪風景(2014年12月28日、ウィーン市内で撮影)

 2015年を迎え、世界の情勢はどのような方向に向かうだろうか。前日のコラムで指摘したが、昨年は世界的に民主主義が偏狭な民族主義、過激なイスラム教勢力、極右派勢力などの挑戦を受け、守勢を余儀なくされた年だった。新年はどうだろうか。

 世界に約12億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会の最高指導者、ローマ法王フランシスコの言動は、カトリック教会だけではなく、世界のさまざまな分野で影響を与えている。それだけに、フランシスコ法王の言動は今年も教会信者ばかり、世界のメディアから注目されるだろう。
 フランシスコ法王は今年3月、法王就任3年目に突入する。南米出身の法王は単なるポピュリストか、教会史に残る法王か、いよいよその真価が問われる年を迎えるわけだ。

 フランシスコ法王は奇抜な発言やバチカンの伝統に捉われない行動で人気を呼んできたが、それだけではもはや十分ではない。世界のカトリック教会は、聖職者の未成年者への性的虐待事件、バチカン銀行の腐敗事件などで信頼を完全に失っている。カトリック教会は再生できるか、それとも益々形骸化し、生命力のない葬式宗教となっていくか、大きな分岐点に直面しているからだ。
 
 フランシスコ法王の今年の行動予定をみると、1月12日からスリランカとフィリピン2カ国を訪問する。法王にとって昨年夏の韓国訪問に次ぐ2回目のアジア訪問だ。故ヨハネ・パウロ2世は1995年、アジアで唯一、カトリック教徒が多数を占めるフィリピンを訪問し、約500万人の信者を集めたが、今回はその数を上回る600万人になると予想されている。

 法王の他の外国訪問計画はまだ未確定だが、9月末の「世界家庭の日」には米国フィラデルフィアを訪問、同時に、ニューヨークの国連総会とワシントンの米議会を訪ねる可能性がある。
 バチカン関係者によると、法王は南米も訪問したい意向を表明しているという。候補国としては、エクアドル、コロンビア、ボリビア、メキシコ等の名前が挙がっている。法王の出身国アルゼンチン、チリは16年以降だ。その他、法王はアフリカ訪問にも意欲を示している。具体的には、ウガンダ、ケニアなどの名前が聞かれる、といった具合だ。いずれにしても、南米出身の法王は健康が許す限り、多くの国を訪問したい意向という。

 フランシスコ法王は2月には、10人前後の新しい枢機卿を任命する。ローマ・カトリック教会の現在の枢機卿数は208人で、そのうち次期ローマ法王の投票権を有する80歳以下の枢機卿数は112人だ。そのうち、今年2月前に80歳を迎える枢機卿が2人いるから、コンクラーベ有資格者は2月の段階で110人となるため、フランシスコ法王は10人の枢機卿を新たに任命できるわけだ。新枢機卿の任命式は今年2月14、15日に開催される枢機卿会議で行われる。


 10月4日から25日まで、15年のハイライト、通常世界司教会議(シノドス)が開催される。作業ペーパーと質問事項は既に世界191カ国の司教会議議長宛てに送付済みだ。
 バチカンは昨年10月5日から19日、特別世界司教会議(シノドス)を開催し、「福音宣教からみた家庭司牧の挑戦」という標題を掲げ、家庭問題について集中的協議を行ったばかりだ。離婚・再婚者への聖体拝領問題から同性愛者問題まで意見の交換が行われた。
 通常シノドスでは何らかの決定が下される可能性があるだけに、改革派と保守派の聖職者間で激しい議論が予想される。ただし、最終的決定権はローマ法王の手にあるから、法王就任以来、バチカン機構の改革を訴えてきたフランシスコ法王がどのような具体的な改革案を貫徹するか、その指導力が問われるわけだ。