ウォーターゲート事件により、当時のニクソン大統領が辞任してから、今年8月で40年を迎えた。当時のニクソン政権が民主党本部を盗聴していたことが発覚して、ニクソン大統領自身が退陣に追い込まれた事件だ。米国内ではニクソン大統領の即退陣を要求する声が吹き荒れていた。ニクソン大統領自身は最後まで拒否していたが 家族の説得を受けて辞任を決意した。 

 当時ニクソン大統領を擁護した宗教指導者がいた。米国内で宣教活動をしていた世界基督教統一神霊協会(通称統一教会)の創設者、文鮮明師だ。文師はニクソン大統領退陣を要求する米国民に対し「許せ、愛せ、団結せよ」と呼びかけた。四面楚歌の状態にあったニクソン大統領は同師の支援に感動し、ホワイトハウスに招いたほどだ。文師は、勢力を拡大する共産主義の脅威から米国を守るためには反共政治家、ニクソン氏が必要だと考えていたといわれる。

 当方は 文師の「許せ、愛せ、団結せよ」のメッセージを初めて聞いた時、大きな感動を覚えた。当時、ニクソン大統領を支援することは 米国民全体を敵に回すといった雰囲気が強かった。にもかかわらず文師はニクソン氏の支援を表明したのだ。

 
 
 当方はローマ・カトリック教会バチカン法王庁の超教派担当の司教と会見したことがある。同司教は「文師が世界基督教統一神霊協会という看板から基督教という名称を除くならば バチカンは文師と対話する用意がある」と答えている。文師はそれに対して「私の教えはキリスト教神学を土台として展開されているので、呼称から基督教を省くことができない」と説明している。文師は反対や批判を恐れない。同師の言動を見ていると、イエスの「私は平和をもたらすためにきたのではなく、剣を投げ込むために来たのである」(マタイ福音書10章)といった言葉を思い出す。それゆえに、文師もイエスと同様、生前多くの中傷と誹謗を受けざるを得なかったのだろう。
 

 ソウルからの報道によれば、12日、文鮮明師の死後(教会用語で聖和式)2周年の追悼集会が行われた。その集会のタイトルの一つに「許せ、愛せ、団結せよ」というメッセージが掲げられていたという。それを聞いて当方は昔感じた感動を思い出した。文師のこのメッセージには、イスラエル・パレスチナ紛争、ウクライナ内戦、南北統一問題ばかりか 日中、日韓の歴史問題をも解く普遍的な真理が含まれていると信じる。
 40年前の「許せ、愛せ、団結せよ」の文師のメッセージが私たちの前に再び蘇ってきたことを歓迎する。