ベルガモ市では楽しい時間を過ごした。同市は人口約12万人の小都市だ。大都市ミラノから車で1時間の距離にある。ケーブルカーで5分余り登れば、旧市内のチャタ・アルタ(高台)のLa Roccaに到着。そこからチャタ・パッサの新市内が眺望できる。セリエAに所属するプロ・サッカーチーム「アタランタ・ベルガモ」のサッカー場もみえる。

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▲カルロ家の「イタリア・コーヒー」(2013年9月25日、ベルガモで撮影)

 ベルガモの友人カルロが市内を案内してくれた。高台にある旧市内は中世の趣が至る所に残っている。石段が続き、ヴェッキア広場、コッレオー二礼拝堂、アンジェロ・マイ図書館など由緒ある歴史的な建物がある。ベルガモという呼称は紀元前、ローマ人によって初めて付けられたという。ミラノから日帰りでベルガモを訪ねる旅行者が足早に過ぎていく。

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▲チャタ・アルタの石段(2013年9月25日、ベルガモで撮影)

 カルロのテキパキとした道案内で短時間に市内の重要な場所を訪れることができた。ヴェッキア広場では有名な喫茶店Caffe Del Tassoでベルガモの典型的な甘菓子、ポレンタ(Polenta)を食べた。いずれにしても、ベルガモでは至る所で何かを食べていた、という思いがするほど、食欲の秋を堪能させてくれた。

 イタリアには美味しい料理が多く、国民も食欲が旺盛と聞いていたが、カルロ家も例外ではなかった。カルロ宅の昼食を紹介すると、エビ入りのコーン・スープ、パスタから始まり、サラダ。魚料理が続き、最後にカルロの娘さんが作った手作りのケーキ、そしてコーヒーがくる。カルロ家の食欲には驚かされた。

 当方がウィーンのコーヒーの話をすると、カルロはコーヒーはイタリアだ、といわんばかりに、「イタリアン・コーヒーを飲め」という。奥さんがつくったイタリア・コーヒーが運ばれてきた。トルコ風コーヒーのようだが、強すぎることもなく、コーヒーの香りが口の中で広がる。

 カルロによると、ベルガモ市周辺はイタリアの中でもカトリック教会の伝統が強い地域という。ベルガモ郊外のソット・イル・モンテの小村にカトリック教会の改革者ヨハネ23世が生まれた。イタリア人はヨハネ23世を「パパ・ジョバン二」と呼び、強い親しみを抱いている(ヨハン23世の生家訪問は紹介済み)。

 ベルガモを訪問した3日間、気候に恵まれた。ベルガモの秋は、喧騒な大都会から訪れてきた人々をゆったりと包み込む包容力がある。