世界に約12億人の信者を抱えるローマ・カトリック教会の最高指導者、ローマ法王フランシスコは6月6日、南米・カリブ海諸国修道院団体(CLAR)関係者との会談の中で「バチカンには聖なる者もいるが、腐敗した人間もいる。同性愛ロビイストたちだ」と述べたという。

▲「バチカン内に同性愛ロビイストが存在」と発言したフランシスコ法王(バチカン放送独語電子版から)
チリのカトリック教会のウェブサイトは12日、アルゼンチン出身法王との発言内容をまとめた文書を公表した。バチカン法王庁は法王の発言内容は否定していないが、「南米修道院関係者との会合は私的なものだった」と説明し、法王の発言についてはコメントを避けた。一方、CLAR は法王の発言内容が公表されたことに対し、「法王の発言内容は様々な憶測を生み出す契機となる」と批判している。
それに先立ち、イタリア日刊紙ラ・レブッブリカは2月、前法王ベネディクト16世が退位した主因は、昨年12月17日にバチリークス調査委員会(3人の枢機卿から構成)が同16世に提出した報告書の中に「バチカン内部に秘密の同性愛者ネットワークが存在し、枢機卿は脅迫されている」という内容にショックを受けたからだ、と報じた。バチカン側は当時、この報道を否定した。
当方は2年前、「教会内施設でホモ・ネットワーク」(2010年5月26日)で「オーストリアのローマ・カトリック教会サンクト・ぺルテン教区のクラウス・キュンク司教は『神学セミナーや教会聖職者の一部に同性愛的(ホモセクシュアル)な雰囲気を感じることがある。彼らは特定な人物に強い関心を示す』と述べた上で、神学セミナーや修道院で同性愛者のネットワークが存在すると指摘。『彼らが教会や修道院で拡大、増殖していった場合、教会や修道院の存続が危機に陥る。セミナーや修道院を閉鎖して、新しく出発する以外に解決の道がない』と語った。カトリック教会高位聖職者が教会関連施設内に『ホモ・ネットワーク』の存在を認めたのは初めてだ」と書いた。その意味で、カトリック教会総本山のバチカン内に同性愛者が存在したとしても驚かない。
CLARの文書はフランシスコ法王の発言をまとめたものだけに、その発言内容は非常に信頼性が高い。ローマ法王がバチカン内にホモ・ネットワークが存在すると認めたことで、教会内外に大きな波紋が生じることは避けられないだろう。
フランスなど欧州のカトリック教国で同性愛者の権限を公認する動きが急速に進んでいるが、カトリック教会はこれまで「家庭は男性と女性から構成されている」として同性愛者の権限拡大には批判的な立場を取ってきた。それだけに、カトリック教会の総本山バチカン内でホモ・ネットワークが存在するとすれば、教会側は信者たちから説明責任が問われることになる。
【短信】
旧ソ連の宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワ(Valentina V. Tereshkova) が女性初の宇宙飛行に成功して今月16日、50年目を迎える。それを記念してウィーンに本部を置く国際連合宇宙局(UNOOSA)は第56会期(今月12日から21日)開催中、女性初宇宙飛行50周年を記念した展示会やパネル討論などを計画している。
テレシコワ女史は13日、ウィーンで記者会見を開き、「将来、多くの女性が宇宙飛行にチャレンジすることを期待する」、「女性たちが経済、社会、政治など多くの分野に進出して活躍することを願います」と、女性たちにエールを送った。

▲世界で初の女性宇宙飛行士となった旧ソ連の宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワ(Valentina V. Tereshkova)さん

▲女性宇宙飛行50周年展示ポスター

▲「バチカン内に同性愛ロビイストが存在」と発言したフランシスコ法王(バチカン放送独語電子版から)
チリのカトリック教会のウェブサイトは12日、アルゼンチン出身法王との発言内容をまとめた文書を公表した。バチカン法王庁は法王の発言内容は否定していないが、「南米修道院関係者との会合は私的なものだった」と説明し、法王の発言についてはコメントを避けた。一方、CLAR は法王の発言内容が公表されたことに対し、「法王の発言内容は様々な憶測を生み出す契機となる」と批判している。
それに先立ち、イタリア日刊紙ラ・レブッブリカは2月、前法王ベネディクト16世が退位した主因は、昨年12月17日にバチリークス調査委員会(3人の枢機卿から構成)が同16世に提出した報告書の中に「バチカン内部に秘密の同性愛者ネットワークが存在し、枢機卿は脅迫されている」という内容にショックを受けたからだ、と報じた。バチカン側は当時、この報道を否定した。
当方は2年前、「教会内施設でホモ・ネットワーク」(2010年5月26日)で「オーストリアのローマ・カトリック教会サンクト・ぺルテン教区のクラウス・キュンク司教は『神学セミナーや教会聖職者の一部に同性愛的(ホモセクシュアル)な雰囲気を感じることがある。彼らは特定な人物に強い関心を示す』と述べた上で、神学セミナーや修道院で同性愛者のネットワークが存在すると指摘。『彼らが教会や修道院で拡大、増殖していった場合、教会や修道院の存続が危機に陥る。セミナーや修道院を閉鎖して、新しく出発する以外に解決の道がない』と語った。カトリック教会高位聖職者が教会関連施設内に『ホモ・ネットワーク』の存在を認めたのは初めてだ」と書いた。その意味で、カトリック教会総本山のバチカン内に同性愛者が存在したとしても驚かない。
CLARの文書はフランシスコ法王の発言をまとめたものだけに、その発言内容は非常に信頼性が高い。ローマ法王がバチカン内にホモ・ネットワークが存在すると認めたことで、教会内外に大きな波紋が生じることは避けられないだろう。
フランスなど欧州のカトリック教国で同性愛者の権限を公認する動きが急速に進んでいるが、カトリック教会はこれまで「家庭は男性と女性から構成されている」として同性愛者の権限拡大には批判的な立場を取ってきた。それだけに、カトリック教会の総本山バチカン内でホモ・ネットワークが存在するとすれば、教会側は信者たちから説明責任が問われることになる。
【短信】
旧ソ連の宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワ(Valentina V. Tereshkova) が女性初の宇宙飛行に成功して今月16日、50年目を迎える。それを記念してウィーンに本部を置く国際連合宇宙局(UNOOSA)は第56会期(今月12日から21日)開催中、女性初宇宙飛行50周年を記念した展示会やパネル討論などを計画している。
テレシコワ女史は13日、ウィーンで記者会見を開き、「将来、多くの女性が宇宙飛行にチャレンジすることを期待する」、「女性たちが経済、社会、政治など多くの分野に進出して活躍することを願います」と、女性たちにエールを送った。

▲世界で初の女性宇宙飛行士となった旧ソ連の宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワ(Valentina V. Tereshkova)さん

▲女性宇宙飛行50周年展示ポスター