アルプスの小国オーストリアは第1次、第2次世界対戦を含め、世界の出来事や事件に絡んでくることが多い。ハプスブルク王朝が崩壊すると共に、領土も小さくなったが、冷戦時代には東西両欧州の架け橋的な役割を果たし、その存在感を示した。その後も世界で起きるさまざまな出来事や事件に不思議と関わっているのだ。最近分かった3つの「話」を紹介する。相互の関係は全く無いが、オーストリアという国がある時は主要舞台とし、ある時は脇演技の小舞台として登場してくることに気がつく。

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▲オーストリア連邦首相官邸(2013年4月撮影)

 .椒好肇麈発テロ事件(4月15日)の2人のテロリスト兄弟の兄、タメルラン・ツァルナエフ容疑者(26)は2004年にロシア連邦のチェチェン共和国から米国に移住したからプロのボクシング選手を目指し、米国内の主要な試合に出場したり、オリンピック出場も目指していた時期があった。その時、トレーニングと実戦のためオーストリアのインスブッルクとチロルに入国していた。オーストリア側のボクシング・クラブ側によると、タメルランがオーストリアに入国したのは07年と09年の2度だ。同国内務省もタメルラン容疑者の入国事実を認めている。ただし、欧州のイスラム教過激グループとの接触は確認されていない。

 ▲蹈轡△離┘螢張ン大統領の娘Tatjana Borissowna Yumaschewaさんは2009年、オーストリア国籍を修得していた。彼女が夫と共にオーストリア出身の実業家が経営していたインタナショナルのマグナ社に勤務していたが、その功績が評価され、「オーストリア政府から国籍が与えられた」というのだ。
 ちなみに、オーストリア国籍を修得したエリツィン元大統領の娘夫婦がオーストリアに実際居住していたかどうかは不明という(ザルツブルガー・ナハリヒテン紙4月25日)。
なお、オーストリアの極右派政党「自由党」の姉妹政党「ケルンテン自由党」関係者がロシア富豪たちに巨額な党献金と引き換えにオーストリア旅券を与えていたという不祥事が発覚したばかり。

 オランダのベアトリクス女王は今月30日、退位し、ウィレム・アレクサンダー皇太子が国王に就任するが、女王の次男、ヨハン・フリーズ王子は2012年2月、オーストリア西部のリゾート地レッヒでスキー中に雪崩に巻き込まれ重体。脳の損傷が大きく意識不明となった。
 オランダ王室はインスブルック大学病院から一度、王子をオランダに運びそこで治療する予定だったが、国内に意識不明の患者を長期間生かして治療する病院がないことが判明。結局、王子はロンドンの病院で長期治療を受けることになった。
 独週刊誌シュピーゲル(4月22日号)は精神病に冒されている娘をもつ歴史家ゲッツ・アリ氏とインタビューしているが、同氏は「オランダでは意識不明状況になり、回復が難しい場合、安楽死を選択するケースが通常となっている。だから、王子のような患者を長期ケアする施設や病院はオランダにはなくなってきた」と述べている。