新しいローマ法王の誕生を目撃しようとバチカン市国のサンピエトロ広場に集まった市民や信者たちは携帯電話が一時,不通になるといった経験をしたことだろう。原因は明らかだ。バチカンがシスティーナ礼拝堂で開かれている法王選出会(コンクラーベ)内の枢機卿たちの会話が盗聴されないために妨害電波を流していたからだ。

▲コンクラーベが開かれたシスティーナ礼拝堂(2013年3月12日、オーストリア国営放送の中継から撮影)
どのメデイアも事前に第266代の新法王名をキャッチできなかったところみると、妨害電波は効果があったわけだ。バチカンの治安担当官は「盗聴防止はやむ得ない処置だ。しかし、100%、防止は出来ない。システィーナ礼拝堂のような歴史的建物では内部の音波が外部に流れやすいからだ」(オーストリアのカトプレス通信)という。
コンクラーベに参加した115人の枢機卿は投票前に秘密保持を宣誓しなければならない。誰が何票集めたか、といった情報が外部に流れると、投票後にもさまざまな影響が出てくることが考えられるからだ。
情報を外部に流した枢機卿や関係者は最悪の場合、破門される。それほどバチカンは秘密保持に神経を使っている。「コンクラーベには神が働く」といわれてきたが、盗聴された場合、神が働く前に人の悪知恵が先行するケースが出てくるからだろう。
コンクラーベだけではない。重要な国際会議が開催される時は治安関係者が事前に盗聴処置を取るのは今日、当たり前となった。すなわち、国際会議の舞台裏では電波戦が展開しているわけだ。
4年前、国際原子力機関(IAEA)の理事会で事務局長選が行われた時、当方はそのことを肌で感じた。どの理事国が誰に何票投じたか、といった理事会内の情報を米国記者が公表前に既に入手していたのだ。後日、記者が携帯電話で理事会に参加している米外交官と密かにメールをやり取りしていたと分かった。電波戦は映画や小説の中だけではなく、既に身近なところで行われているのだ。
「妨害電波」と聞くと、冷戦時代に東欧諸国を取材していた当方は、ミュンヘンに本部があった自由放送が東欧共産政権の妨害電波で苦労していたことを思い出す。旧ソ連・東欧の共産政権は当時、西側の情報が国民に伝わることを阻止するために妨害電波を流していた。
21世紀の今日、妨害電波を流すのは共産政権だけではなく、神を信じるバチカン法王庁も例外ではなくなったわけだ。いずれにしても、現代社会では情報保持が重要な課題だ。

▲コンクラーベが開かれたシスティーナ礼拝堂(2013年3月12日、オーストリア国営放送の中継から撮影)
どのメデイアも事前に第266代の新法王名をキャッチできなかったところみると、妨害電波は効果があったわけだ。バチカンの治安担当官は「盗聴防止はやむ得ない処置だ。しかし、100%、防止は出来ない。システィーナ礼拝堂のような歴史的建物では内部の音波が外部に流れやすいからだ」(オーストリアのカトプレス通信)という。
コンクラーベに参加した115人の枢機卿は投票前に秘密保持を宣誓しなければならない。誰が何票集めたか、といった情報が外部に流れると、投票後にもさまざまな影響が出てくることが考えられるからだ。
情報を外部に流した枢機卿や関係者は最悪の場合、破門される。それほどバチカンは秘密保持に神経を使っている。「コンクラーベには神が働く」といわれてきたが、盗聴された場合、神が働く前に人の悪知恵が先行するケースが出てくるからだろう。
コンクラーベだけではない。重要な国際会議が開催される時は治安関係者が事前に盗聴処置を取るのは今日、当たり前となった。すなわち、国際会議の舞台裏では電波戦が展開しているわけだ。
4年前、国際原子力機関(IAEA)の理事会で事務局長選が行われた時、当方はそのことを肌で感じた。どの理事国が誰に何票投じたか、といった理事会内の情報を米国記者が公表前に既に入手していたのだ。後日、記者が携帯電話で理事会に参加している米外交官と密かにメールをやり取りしていたと分かった。電波戦は映画や小説の中だけではなく、既に身近なところで行われているのだ。
「妨害電波」と聞くと、冷戦時代に東欧諸国を取材していた当方は、ミュンヘンに本部があった自由放送が東欧共産政権の妨害電波で苦労していたことを思い出す。旧ソ連・東欧の共産政権は当時、西側の情報が国民に伝わることを阻止するために妨害電波を流していた。
21世紀の今日、妨害電波を流すのは共産政権だけではなく、神を信じるバチカン法王庁も例外ではなくなったわけだ。いずれにしても、現代社会では情報保持が重要な課題だ。
