イタリア総選挙の結果は事前に予想されたことだが、同国の政情を一層混乱させている。財政危機を打開するため登場したモンティ首相が率いる中道連合は上院で得票率10%にも届かず、惨敗した。ローマの総選挙の行方を注視していたブリュッセル欧州連合(EU)からは「大変なことになった」という懸念の声が飛び出しているほどだ。経済学者モンティ氏の財政緊縮政策に信頼を寄せてきたEUにとって、EU圏第4位の経済大国イタリアの政情混乱はブリュッセルにとって大きな不安要素となるからだ。

▲イタリアのミラノ大聖堂(2011年8月、撮影)
イタリア総選挙の結果は下院(定数630議席)では中道左派連合が過半数を獲得したが、上院(定数315議席)では過半数を獲得した勢力はなかった。上院では中道左派が121議席、ベルルスコーニ前首相の中道右派連合117議席、グリッロ氏の「五つ星運動」54議席、モンティ首相の中道連合は22議席に留まった。
選挙結果からいえば、大躍進を遂げたグリッロ氏が今選挙の唯一の勝利者といえるだろう。中道左派連合はグリッロ氏との連携を模索するだろうが、同氏はどの連合とも連合を組む考えが無いことを表明してきた。
ブリュッセルの信頼が厚いモンティ氏の対応も注目される。改革路線の継続を主張する中道左派連合と連合を組むか、野党勢力に留まるのか、今後の連立政権交渉のポイントの一つだ(両勢力が連立しても上院の過半数は達成できない)。
それにしても、国際社会でイタリアの新しい顔として人気があったモンティ氏が率いる中道連合の惨敗は何を物語っているのだろうか。経済政策としては賢明であったとしても、国民の負担を強いる緊縮政策は誰が主張したとしても有権者の反発を受ける。モンティ氏も例外ではなかったわけだ。ブリュッセルとイタリア国民の願いは完全にすれ違っていたわけだ。
民主主義は多様な見解、利益を尊重するが、社会の多様化の中で政権運営は益々難しくなってきた。もはや1党が過半数を掌握するという国は民主国家で考えられなくなってきた。イタリアはその代表的な国だ。
オーストリア国営放送の夜のニュース番組でローマ特派員は「新政権がいつ発足できるか、現時点では不明だ」と述べていた。戦後共和国に移行してから同国でこれまで61回、政権が交代した。第62代となる新政権がいつ樹立されるか予想できない状況となったわけだ。
民主主義の発祥の地ギリシャで財政危機が発生し、欧州経済は危機に陥っている一方、法治国家の発祥地イタリアの政情は一層、混乱の様相を深めてきた。

▲イタリアのミラノ大聖堂(2011年8月、撮影)
イタリア総選挙の結果は下院(定数630議席)では中道左派連合が過半数を獲得したが、上院(定数315議席)では過半数を獲得した勢力はなかった。上院では中道左派が121議席、ベルルスコーニ前首相の中道右派連合117議席、グリッロ氏の「五つ星運動」54議席、モンティ首相の中道連合は22議席に留まった。
選挙結果からいえば、大躍進を遂げたグリッロ氏が今選挙の唯一の勝利者といえるだろう。中道左派連合はグリッロ氏との連携を模索するだろうが、同氏はどの連合とも連合を組む考えが無いことを表明してきた。
ブリュッセルの信頼が厚いモンティ氏の対応も注目される。改革路線の継続を主張する中道左派連合と連合を組むか、野党勢力に留まるのか、今後の連立政権交渉のポイントの一つだ(両勢力が連立しても上院の過半数は達成できない)。
それにしても、国際社会でイタリアの新しい顔として人気があったモンティ氏が率いる中道連合の惨敗は何を物語っているのだろうか。経済政策としては賢明であったとしても、国民の負担を強いる緊縮政策は誰が主張したとしても有権者の反発を受ける。モンティ氏も例外ではなかったわけだ。ブリュッセルとイタリア国民の願いは完全にすれ違っていたわけだ。
民主主義は多様な見解、利益を尊重するが、社会の多様化の中で政権運営は益々難しくなってきた。もはや1党が過半数を掌握するという国は民主国家で考えられなくなってきた。イタリアはその代表的な国だ。
オーストリア国営放送の夜のニュース番組でローマ特派員は「新政権がいつ発足できるか、現時点では不明だ」と述べていた。戦後共和国に移行してから同国でこれまで61回、政権が交代した。第62代となる新政権がいつ樹立されるか予想できない状況となったわけだ。
民主主義の発祥の地ギリシャで財政危機が発生し、欧州経済は危機に陥っている一方、法治国家の発祥地イタリアの政情は一層、混乱の様相を深めてきた。
