北朝鮮は12日、3回目の核実験を実施した。核爆発の規模は10キロトン前後と推定されている。北側は「小型で強力な核爆発」と豪語した。2006年10月は1キロトン以下、09年5月は4・5キロトンだったから、前回より約2倍の爆発規模だ。一方、米航空宇宙局(NATO)が15日、ロシア中部に落下した隕石の総質量は1万トン、直径17メートルで、広島型原爆の約30倍に相当する500キロトンのエネルギーが放出されたと明らかにした。

▲噴火する危険性が予測されている「白頭山」(ウィキぺディアから)
エネルギー総量を簡単に比較すると、「小型で強力な核爆発」の北の核実験規模はロシア中部で15日、落下した隕石が地上に放出した総エネルギーの50分の1に過ぎない。宇宙から飛来した隕石のインパクトが如何に大きかったかは一目瞭然となる。隕石落下地から遠くないところに核関連施設があったというから、隕石の一部でも落下していたら大変な惨事となるところだったわけだ。欧米の原発には隕石対策は取られているが、小石程度で今回のような大隕石は想定外だろう。
ところで、北の金正恩第1書記は年内に4、5回目の核実験を計画しているという。 それに対して、韓国の火山学者らから核実験が白頭山の爆発を促すのではないか、といった心配の声が出ている。この懸念は決して新しいものではない。北の2回目の核実験直後にも囁かれた(「白頭山の爆発と第3回核実験」(2011年3月11日参考)。
中国と北朝鮮の国境に位置する白頭山(標高約2744m)は近い将来噴火する危険性があるといわれる。白頭山が噴火した場合、北朝鮮が大被害を受けるだけではなく、韓国、日本、中国など周辺国家にも火山灰が降り、同地域の飛行が不可能となる。ロシア非常事態省は2006年10月、白頭山が噴火する危険性があると指摘。韓国の学者も2010年、白頭山が14年から15年にかけ噴火すると予測している、といった具合だ。
欧州では2010年、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル氷河にある火山が噴火し、大量の火山灰の影響から欧州航空会社は飛行中止に追い込まれたことはまだ記憶に新しい。白頭山が噴火すれば、それを凌ぐ被害が周辺地域で生じるだろうと予測される。
問題は、北朝鮮の地下核実験が白頭山噴火を誘発するのではないか、という不安だ。白頭山の地盤と核実験地の咸鏡北道豊渓里周辺の地盤の関係だ。両者は直線で70キロぐらいしか離れていないからだ。核実験が白頭山の地盤に何らかの影響を及ぼし、大噴火を誘発するのではないか、という不安は完全には払拭できないわけだ。白頭山が放出するエネルギーは核実験の爆発規模の比ではない。
北の金正恩第1書記は大災害を誘発するかもしれない追加核実験を禁止すべきだ。さもなければ、北の国民が核実験の最大の犠牲者となってしまう危険性があるからだ。金第1書記は耳を傾けるべきだ。

▲噴火する危険性が予測されている「白頭山」(ウィキぺディアから)
エネルギー総量を簡単に比較すると、「小型で強力な核爆発」の北の核実験規模はロシア中部で15日、落下した隕石が地上に放出した総エネルギーの50分の1に過ぎない。宇宙から飛来した隕石のインパクトが如何に大きかったかは一目瞭然となる。隕石落下地から遠くないところに核関連施設があったというから、隕石の一部でも落下していたら大変な惨事となるところだったわけだ。欧米の原発には隕石対策は取られているが、小石程度で今回のような大隕石は想定外だろう。
ところで、北の金正恩第1書記は年内に4、5回目の核実験を計画しているという。 それに対して、韓国の火山学者らから核実験が白頭山の爆発を促すのではないか、といった心配の声が出ている。この懸念は決して新しいものではない。北の2回目の核実験直後にも囁かれた(「白頭山の爆発と第3回核実験」(2011年3月11日参考)。
中国と北朝鮮の国境に位置する白頭山(標高約2744m)は近い将来噴火する危険性があるといわれる。白頭山が噴火した場合、北朝鮮が大被害を受けるだけではなく、韓国、日本、中国など周辺国家にも火山灰が降り、同地域の飛行が不可能となる。ロシア非常事態省は2006年10月、白頭山が噴火する危険性があると指摘。韓国の学者も2010年、白頭山が14年から15年にかけ噴火すると予測している、といった具合だ。
欧州では2010年、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル氷河にある火山が噴火し、大量の火山灰の影響から欧州航空会社は飛行中止に追い込まれたことはまだ記憶に新しい。白頭山が噴火すれば、それを凌ぐ被害が周辺地域で生じるだろうと予測される。
問題は、北朝鮮の地下核実験が白頭山噴火を誘発するのではないか、という不安だ。白頭山の地盤と核実験地の咸鏡北道豊渓里周辺の地盤の関係だ。両者は直線で70キロぐらいしか離れていないからだ。核実験が白頭山の地盤に何らかの影響を及ぼし、大噴火を誘発するのではないか、という不安は完全には払拭できないわけだ。白頭山が放出するエネルギーは核実験の爆発規模の比ではない。
北の金正恩第1書記は大災害を誘発するかもしれない追加核実験を禁止すべきだ。さもなければ、北の国民が核実験の最大の犠牲者となってしまう危険性があるからだ。金第1書記は耳を傾けるべきだ。