地球に小惑星が16日早朝(日本時間)、急接近するという。昨年2月、スペインのラサグラ天文台が発見した小惑星で「2012DA14」と呼ばれている。米航空宇宙局(NASA)によると、小惑星は地球から約2万7000キロまで接近するから、静止人工衛星より地球に近いところを通過する。幸い、地球に衝突する危険性はほぼない。
 小惑星は大きさが45〜50メートルで推定13万トン。地球に衝突し、海面に落ちた場合、津波が生じるだろうし、都市に落下した場合、かなりの被害が考えられるが、そのシナリオは皆無だ。

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▲小惑星、2012DA14,地球に急接近(NASAのHPから)

 小惑星の衝突は過去にもあったし、将来も考えられるが、惑星の軌道を正確に計算できない限り、予測が難しい。地球が大きなダメージを受けるほどの惑星の衝突は過去、記録されていないが、大昔、生存していた恐竜の突然の消滅の背後には、惑星の地球衝突があった、という学説は聞く。ちなみに、米映画の「アルマゲドン」(1998年製作)や「ディープ・インパクト」(同年)などは惑星や彗星が地球に衝突するという台本だ。

 ところで、当方は「2012DA14の出現は何をもたらすだろうか」と考えているところだ。宗教的、哲学的に表現するとすれば、「2012DA14」のミッションは何か、ということだ。
 マヤ暦騒動は終わったが、マヤ暦問題を通じて「人間の歴史にもひょっとしたら終わりがあるかもしれない」と漠然と考えた人々もいただろう。宗教的な人間だったら、人間の罪と終末を深刻に内省したかもしれない。マヤ暦が契機となって普段は考えないテーマ(人類の終末)について思いを馳せたことは間違いないだろう。  

 それでは、「2012DA14」は私たちに何を考えさせるだろうか。2万7000キロ離れた軌道を通過する小惑星は、広大な宇宙の中に浮かぶ地球が過去、多くの困難を乗越えて今日まで存在してきたことを想起させ、(地球に対して)感謝の念が沸いてくる機会となるかもしれない。

 いずれにしても、小惑星の急接近は、一時的にせよ地球上の紛争やいがみ合いを忘れさせ、私たちの目を宇宙に向けさせる機会となるだろう。ひょっとしたら、小惑星の急接近は、私たちの思考世界を地球の重力から解放し、偏見も拘りもない、自由な世界に飛躍させてくれるかもしれない。「2012DA14」よ、君のミッションはそれだ。