独立世論調査機関「Lewada」が17日公表したところによると、ロシア国民の過半数は宗教関連施設や信者たちへの冒涜行為に対し、関連法の強化を支持しているという。
 国民の約49%は信者の宗教心を傷つけた場合、厳罰に処すべきだと考え、反対は約34%だった。ロシアでは過去、宗教を冒涜した場合、「公共秩序の破壊」という法の枠組みで対応されてきた。

 超党派で提出された宗教冒涜法案によれば、信者の宗教心を傷つけた場合、最高3年の刑罰に処され、宗教関連建物を破壊した場合、最高5年の刑罰に課せられることになる。同法案は来年1月、議会で審議される予定だ。

 同法案作成の直接の契機は、モスクワの救世主キリスト教会内で「反プーチン」ソングを歌い、踊った3人の女性パンクバンドのフーリガン行為だった(2人の女性に対して2年の有罪判決が下された)。ロシア正教会内でフーリガン行為をした3人の女性バンドの罪状は正教徒が崇拝する聖堂の冒涜行為だ。
 ちなみに、女性パンクバンドの蛮行だけではなく、ロシアでは正教会の十字架を破壊したり、聖画(イコン)が墨で汚されるなど、宗教施設関連へのヴァンダリズムが頻繁に発生している。

 興味深い点は、約70年間、唯物思想を標榜した共産主義政権が君臨し、「宗教はアヘン」として宗教者への弾圧が激しかったロシアで、信者たちの宗教心を保護しようとする動き、法案作成が進められているという事実だ。

 もちろん、冒涜法の強化を諸手を挙げて賛同は出来ない。プーチン政権が同法案を反政府運動の弾圧に利用する危険性が排除できないうえ、「宗教心の冒涜」といってもその定義が曖昧模糊としている面があるからだ。

 しかし、それらを考慮したとしても、ロシアで信者の宗教心への冒涜行為に対し、西欧キリスト教社会のそれ以上に厳しい刑罰で対応する動きが出てきたという事実は、特筆に値することだ。宗教性、藝術性を有するロシア民族の「神への回帰」が始まったのだろうか。