オーストリア国営放送で先週から5週連続で「欧州の王室」をテーマ毎に分けて放映している。「欧州の王室」の動向に関心がある当方は毎週楽しみに観ているが、21日の番組の中で「天使と交信出来る王女様がいる」という話を聴いて驚いた。お伽噺ではない。実話だ。それもノルウェーの王女の話だ。ノルウェー王ハーラル5世とソニアの長女としてオスロで誕生したマッタ・ルイーゼ王女(40)だ。

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▲天使と交信できるノルウェーの王女(Wikipediaから)

 王女は2002年、同国の作家アリ・ベーンと結婚し、3人の娘さんがいる。今年2月、エリザベス・ノルデング女史との共著で「天使の秘密」というタイトルの本を出版している。天使に関する2冊目の本だ。天使の存在を人々に紹介したいから本を出版したという。王女は既に、子供たちが天使と話すことができるようになるために「天使の学校」を開校している。王女によると、「天使は私たちの周辺にいて、私たちを助けたいと願っています」という。王女は幼い時から天使と交信してきたという。王女の「天使との交信」について、国内では何かいかがわしい行動のように受け取る人々もいる。

 「天使」といってもピンとこない人が少なくないだろう。聖書によると、天使は神の僕であり、神に頌栄を捧げる存在だ。人間と異なるのは天使が霊的存在ということだ。天使の中にも3人のリーダー、ルーシェル、ガブリエル、ミカエルの3大天使がいる。その中でもトップ格のルーシェルは創世記の「失楽園」物語で蛇として登場し、エバを誘惑した張本人だ。だから、「神は堕落した天使を許しておかず、地に投げ落とした」と書かれている。その結果、天使たちも人間との正常な関係を築くことができなくなった。人類始祖は堕落によって神との交流を失っただけではなく、「僕」だった天使とも容易に交信でくなくなったわけだ。その意味からも、天使と交信できるマッタ・ルイーゼ王女は貴重な存在といわざるを得ない。

 新約聖書「使徒行伝」2章では、「終わりの時には、わたしの霊をすべての人に注ごう。そして、あなたがたのむすこ娘は預言をし、若者たちは幻を見、老人たちは夢を見るであろう」」と記述されている。天使と交信できる王女が現れても不思議ではない時代なのだ。神と交信し、天使と自由に語り合うことが出来れば楽しいだろう。ただし、天使と交信できる人は悪なる天使と善の天使を正しく識別しないと、とんでもない方向に引っ張られてしまう危険性は排除できない。