「それにしても、プーチン大統領は秋田県知事が犬より猫が好きだとどうして知っていたのだろうか」
プーチン大統領が28日、ロシア南部ソチで玄葉光一郎外相と会談した際、同外相に、贈られた秋田犬に感謝する一方、その返礼にシベリア猫を秋田県知事に送る意向を表明した、という記事を読んでいた友人がこのように呟いた。
プーチン大統領が元ソ連国家保安委員会(KGB)のドイツ圏担当エージェントだったことを想起すれば、当方などは驚かない。日本担当エージェントが秋田県知事に関する情報を収集済みだろうし、秋田犬「ゆめ」を贈りたいと聞いた時から、贈り主の思想傾向から趣味、家族構成まで調べるように指令していたとしても不思議ではない。少なくとも、大統領は日本の政治家とは違い、情報収集の専門家だ。情報の価値を誰よりも知っている。秋田県知事が犬より猫が好き、といった類の情報収集はロシアのエージェントにとっては簡単な仕事だ。
当方の知り合いにロシア情報機関のエージェントらしい人物がいる。もちろん、彼は「私はKGBのエージェントです」と言ったこともないし、名刺すらもらったことはないから100%確実ではないが、10年以上付き合ったいると自然に分かるものだ。
彼は誰よりも早く起床し、事務所で仕事に取り掛かる。その日の全ての日刊紙をチェックし、ロシア関連記事やコメントを切り抜く仕事が待っているからだ。午前中にそれを済ますと、その日の情報を上司に報告する。彼はドイツ語が堪能なこともあって頻繁にベルリンに行く。ロシアがドイツ国内で何らかの工作をする場合、ドイツ駐在のエージェントは動かない。問題が生じた時、外交問題に発展する危険があるからだ。だから、他国駐在のエージェントを動員するのが普通だ。そのためかどうか分からないが、彼は頻繁にベルリンに飛ぶ。その度に「仕事だ」というだけだ。
彼はアラブ出身の記者のように多弁を弄することはない。こちらが話しかけない限り、自分からは話さない。自身の健康問題も話さない(彼は心臓のバイパス手術を受けている)。静かだが、プレゼンスがある。
ロンドンで夏季五輪大会が始まったが、彼はモスクワの指令を受けてロンドンのメデイア・センターに取材記者として登録した。彼は「ロシア選手だけではなく、ドイツ選手の動向を追う予定だ」と語っていた。プーチン大統領がドイツ語圏エージェント出身だったこともあって、彼は結構、上司から用いられているようだ。
ところで、日本政府の情報収集活動はどうだろうか、と少し心配になってきた。日本はロシアと北方領土問題を抱えている。ロシア政府首脳陣の北方領土訪問のニュースを読む度、「ロシアは野田政権を小ばかにしている」と感じる。
玄葉光一郎外相がプーチン大統領に会った時、「大統領、2年前ブルガリア首相から贈られた犬(バッフィー)がモスクワの生活に順応できずに苦しんでいると聞きました。日本から優秀な犬専門医を送りましょうか」ぐらい言って貰いたいものだ。
プーチン大統領が28日、ロシア南部ソチで玄葉光一郎外相と会談した際、同外相に、贈られた秋田犬に感謝する一方、その返礼にシベリア猫を秋田県知事に送る意向を表明した、という記事を読んでいた友人がこのように呟いた。
プーチン大統領が元ソ連国家保安委員会(KGB)のドイツ圏担当エージェントだったことを想起すれば、当方などは驚かない。日本担当エージェントが秋田県知事に関する情報を収集済みだろうし、秋田犬「ゆめ」を贈りたいと聞いた時から、贈り主の思想傾向から趣味、家族構成まで調べるように指令していたとしても不思議ではない。少なくとも、大統領は日本の政治家とは違い、情報収集の専門家だ。情報の価値を誰よりも知っている。秋田県知事が犬より猫が好き、といった類の情報収集はロシアのエージェントにとっては簡単な仕事だ。
当方の知り合いにロシア情報機関のエージェントらしい人物がいる。もちろん、彼は「私はKGBのエージェントです」と言ったこともないし、名刺すらもらったことはないから100%確実ではないが、10年以上付き合ったいると自然に分かるものだ。
彼は誰よりも早く起床し、事務所で仕事に取り掛かる。その日の全ての日刊紙をチェックし、ロシア関連記事やコメントを切り抜く仕事が待っているからだ。午前中にそれを済ますと、その日の情報を上司に報告する。彼はドイツ語が堪能なこともあって頻繁にベルリンに行く。ロシアがドイツ国内で何らかの工作をする場合、ドイツ駐在のエージェントは動かない。問題が生じた時、外交問題に発展する危険があるからだ。だから、他国駐在のエージェントを動員するのが普通だ。そのためかどうか分からないが、彼は頻繁にベルリンに飛ぶ。その度に「仕事だ」というだけだ。
彼はアラブ出身の記者のように多弁を弄することはない。こちらが話しかけない限り、自分からは話さない。自身の健康問題も話さない(彼は心臓のバイパス手術を受けている)。静かだが、プレゼンスがある。
ロンドンで夏季五輪大会が始まったが、彼はモスクワの指令を受けてロンドンのメデイア・センターに取材記者として登録した。彼は「ロシア選手だけではなく、ドイツ選手の動向を追う予定だ」と語っていた。プーチン大統領がドイツ語圏エージェント出身だったこともあって、彼は結構、上司から用いられているようだ。
ところで、日本政府の情報収集活動はどうだろうか、と少し心配になってきた。日本はロシアと北方領土問題を抱えている。ロシア政府首脳陣の北方領土訪問のニュースを読む度、「ロシアは野田政権を小ばかにしている」と感じる。
玄葉光一郎外相がプーチン大統領に会った時、「大統領、2年前ブルガリア首相から贈られた犬(バッフィー)がモスクワの生活に順応できずに苦しんでいると聞きました。日本から優秀な犬専門医を送りましょうか」ぐらい言って貰いたいものだ。