北朝鮮が16日、人工衛星打ち上げを発表して以来、日韓米を中心に「国連安保理決議違反」として批判の声が上がる一方、北側は人工衛星打ち上げを「宇宙空間の平和利用」だと必死に反論している。
 人工衛星打ち上げ技術が弾道ミサイル開発技術に通じることから、北が「人工衛星だ」と口を酸っぱくして主張したとしても、日韓米は「それは長距離ミサイル発射だ」と受け取って批判を繰り返す。極論すれば、北は人工衛星を打ち上げることができないことになる。だから、「主権国家の自主権の蹂躙だ」といった北側の反論となって返ってくる。
 親北のイランは2009年2月、国産初の人工衛星「オミド(希望)」の打ち上げに成功した。核開発計画を進めるイランの人工衛星開発に対しては、欧米諸国は当時、今回の北の人工衛星打ち上げ発表と同様、懸念を表明した。例えば、ギブズ米大統領報道官(当時)は「オバマ政権は非常に懸念している」と語っている。
 イランの核計画に対しても同様だ。イランが「わが国の核計画は核エネルギーの平和利用だ」と主張しても、欧米諸国は「核兵器製造を密かに模索している可能性がある」と考え、同国の核計画の全容解明まではイラン側の言い分を信じない。国際原子力機関(IAEA)はイランの核問題を理事会議題として協議開始して以来、8年目を迎えるが、イランの核計画が平和目的かどうかを依然検証できないでいる。
 北朝鮮の人工衛星打ち上げでも同様だ。日韓米は北の主張を信じない。北という国家が国際社会の責任と義務を履行するまで、北の主張に対して懐疑的とならざるを得ないからだ。北は過去、2回の核実験とミサイル発射を繰り返してきた。
 「人工衛星の打ち上げ」や「核エネルギーの平和利用」は主権国家の権利であり、どの国もそれを阻止できない。この点だけを取り出して、北やイランが「人工衛星打ち上げや核計画の促進は主権国家の権利だ」と声高く叫んだとしても、国際社会からは余り理解されない。両国に対する国際社会の「信頼」が欠如しているからだ。
 「人工衛星打ち上げ」に対する日韓米と北側の見解の相違は、両者間に「信頼」が決定的に欠けていることを端的に示している。信頼しないもの同士がいくらその主張を繰り返しても相手側を説得できない。
 国際社会での「信頼」は一朝一夕では獲得できない。険悪な人間関係を解決するためには並大抵の努力では済まない。同様に、国際社会での信頼醸成には多くの外交努力の他、義務の履行を重ねていくことが不可欠だ。