独社会民主党(SPD)のガブリエル党首が隣国フランスの大統領選挙(4月22日第1回投票、5月6日決選投票)に関心がないわけがない。世論調査では、17年ぶりに仏社会党候補のフランソワ・オランド前第1書記がエリゼ宮殿の大統領府に復帰する可能性が高い時だ。隣国の大統領選とはいえ、そこは姉妹政党の関係だ。積極的に選挙応援に乗り出しても可笑しくないが、独社民党の動きは少々鈍い。
それとは好対照なのが、独社民党のライバル、独与党「キリスト教民主同盟」(CDU)のメルケル首相だ。同首相は隣国のサルコジ大統領の再選の為にエネルギーを投入し、苦戦している同大統領の選挙集会にも参加するなど、破格のサービスを惜しまないでいる。
「サルコジ氏の再選が厳しい時、余り応援しすぎると、社会党候補者が大統領に選出された場合、フランスとドイツ両国関係が険悪化する危険性がある」といった助言すら聞かれるが、メルケル首相は「姉妹政党を支援するのは当然」と気にする様子がない。
それでは「どうしてガブリエル党首ら独社民党幹部たちはオランド氏支援を躊躇しているだろうか」という素朴な疑問が沸いてくる。独週刊誌シュピーゲルによると、独社民党にとってフランス社会党のオランド第1書記の政治路線が「あまりにも左寄り過ぎ」というのだ。ガブリエル党首にとって、オランド氏の選挙戦に積極的に関与すれば、党内の左派勢力を鼓舞させる懸念が払拭できないという。
また、オランド氏の政治路線が独社民党のそれと一致しない点も大きな障害だ。オランド氏は先日、「60の政権公約」を発表したが、その公約の18番目に「年金問題」にも言及し、「年金保険料を満期で支払ったすべての人が60歳になった時点で満額の年金をもらい年金生活を開始する権利を認める」と述べている。年金年齢を60歳に引き下げることなどはドイツでは野党第1党といえども考えられない提案だ。
すなわち、独仏の左派政党は互いに姉妹関係だが、重要な政策で相違があるわけだ。特に、主要テーマの年金問題で独仏の姉妹政党は路線が異なっている。ガブリエル党首ら独社民党指導者たちが仏大統領候補者の応援に尻込みするのは当然かもしれない。
それとは好対照なのが、独社民党のライバル、独与党「キリスト教民主同盟」(CDU)のメルケル首相だ。同首相は隣国のサルコジ大統領の再選の為にエネルギーを投入し、苦戦している同大統領の選挙集会にも参加するなど、破格のサービスを惜しまないでいる。
「サルコジ氏の再選が厳しい時、余り応援しすぎると、社会党候補者が大統領に選出された場合、フランスとドイツ両国関係が険悪化する危険性がある」といった助言すら聞かれるが、メルケル首相は「姉妹政党を支援するのは当然」と気にする様子がない。
それでは「どうしてガブリエル党首ら独社民党幹部たちはオランド氏支援を躊躇しているだろうか」という素朴な疑問が沸いてくる。独週刊誌シュピーゲルによると、独社民党にとってフランス社会党のオランド第1書記の政治路線が「あまりにも左寄り過ぎ」というのだ。ガブリエル党首にとって、オランド氏の選挙戦に積極的に関与すれば、党内の左派勢力を鼓舞させる懸念が払拭できないという。
また、オランド氏の政治路線が独社民党のそれと一致しない点も大きな障害だ。オランド氏は先日、「60の政権公約」を発表したが、その公約の18番目に「年金問題」にも言及し、「年金保険料を満期で支払ったすべての人が60歳になった時点で満額の年金をもらい年金生活を開始する権利を認める」と述べている。年金年齢を60歳に引き下げることなどはドイツでは野党第1党といえども考えられない提案だ。
すなわち、独仏の左派政党は互いに姉妹関係だが、重要な政策で相違があるわけだ。特に、主要テーマの年金問題で独仏の姉妹政党は路線が異なっている。ガブリエル党首ら独社民党指導者たちが仏大統領候補者の応援に尻込みするのは当然かもしれない。