ウルフ独大統領が辞任した。「大統領職の任期を満了したい」と願ってきただけに、本人も残念だろう。昨年12月頃から、ニーダーザクセン州首相時代(2003−10年)の知人の実業家夫妻から低利の住宅ローン(50万ユーロ)を借りて住居を購入した問題、その内容をメデイアが報道しないようにメデイア機関に圧力を行使、そして映画会社から豪華な休暇の招待を受け、その謝礼に同会社の利益を図った疑いなどが立て続けに飛び出してきた。そして同州検察局が大統領の特権停止を連邦政府に要請したことを受け、17日遂に「大統領職が行使できない状況下に陥った」と辞意を表明したばかりだ。力尽きたといった感じかもしれない。
ドイツでは次期大統領候補者の話題が連日報じられているが、ここでは大統領職を失ったウルフ氏の老後対策についてちょっと考えてみたい。
ドイツでは大統領がその任務を終え退職した場合、連邦大統領の恩給に関する法(Gesetz ueber die Ruhebezuege des Bundespraesidenten)に基づき、終身恩給(Ehrensold)が支給される。その額は年間約19万9000ユーロだ。それだけではない。車と秘書付だ。それも任期満了でも途中辞任した大統領も同様の扱いを受ける。それを聞いた時、「さすがドイツは経済大国だ」と感動すら覚えたほどだ。例えば、ウルフ氏の前任大統領ケーラー氏は10年、政治的発言が問題となって途中で辞任したが、その後も年間約20万ユーロの手当てを受けているわけだ。
ウルフ氏も同様、年間20万ユーロの年金を受け、老後は金銭的には心配がないわけだ。ただし、大統領が個人的理由で辞任した場合はその手当ては支給されなという条項がある。ウルフ氏の場合、ドイツ国内で「ウルフ氏に終身恩給を払うべきか」で議論が飛び出すのもその辺の事情があるからだ。
手当て反対派は「ウルフ氏は個人的問題で大統領職を辞任したのだから国が払う必要はない」と主張。一方、支持派は「個人的理由といってもそこには政治的理由が加わってくる。政治家の場合、個人的と政治的との間の区別が難しい」と指摘し、ウルフ氏への恩給に理解を示している、といった具合だ。
ウルフ氏にとって有利な点は、退職(辞任)した大統領の恩給問題は連邦政府の権限だということだ。メルケル現政府が大統領任期1年7カ月という最短記録を記録したウルフ氏の老後を保証するのは間違いないところだ。
ドイツでは次期大統領候補者の話題が連日報じられているが、ここでは大統領職を失ったウルフ氏の老後対策についてちょっと考えてみたい。
ドイツでは大統領がその任務を終え退職した場合、連邦大統領の恩給に関する法(Gesetz ueber die Ruhebezuege des Bundespraesidenten)に基づき、終身恩給(Ehrensold)が支給される。その額は年間約19万9000ユーロだ。それだけではない。車と秘書付だ。それも任期満了でも途中辞任した大統領も同様の扱いを受ける。それを聞いた時、「さすがドイツは経済大国だ」と感動すら覚えたほどだ。例えば、ウルフ氏の前任大統領ケーラー氏は10年、政治的発言が問題となって途中で辞任したが、その後も年間約20万ユーロの手当てを受けているわけだ。
ウルフ氏も同様、年間20万ユーロの年金を受け、老後は金銭的には心配がないわけだ。ただし、大統領が個人的理由で辞任した場合はその手当ては支給されなという条項がある。ウルフ氏の場合、ドイツ国内で「ウルフ氏に終身恩給を払うべきか」で議論が飛び出すのもその辺の事情があるからだ。
手当て反対派は「ウルフ氏は個人的問題で大統領職を辞任したのだから国が払う必要はない」と主張。一方、支持派は「個人的理由といってもそこには政治的理由が加わってくる。政治家の場合、個人的と政治的との間の区別が難しい」と指摘し、ウルフ氏への恩給に理解を示している、といった具合だ。
ウルフ氏にとって有利な点は、退職(辞任)した大統領の恩給問題は連邦政府の権限だということだ。メルケル現政府が大統領任期1年7カ月という最短記録を記録したウルフ氏の老後を保証するのは間違いないところだ。