ロシア正教会はソ連共産党時代の癒着問題があって、ソ連解体後も立ち直りに時間がかかったが、プーチン大統領時代の8年間でその勢力をほぼ回復してきた。
プーチン大統領は当時、ロシア正教を積極的に支援し、国民の愛国心教育にも活用してきた。プーチン氏自身も教会の祝日や記念日には必ず顔を出し、敬虔な正教徒として振る舞ってきた経緯がある。プーチン氏はロシア正教会復興の立役者といってもいいだろう。
そのロシア正教会最高指導者キリル総主教が正教会のクリスマスの7日、国営テレビのインタビューの中で下院選挙(2011年12月4日実施)での不正問題に言及し、「権力者は国民の抗議に無関心であれば、自浄能力がないことを示す」と指摘、国民の声に謙虚に耳を傾けるべきだと述べた。久しぶりにロシア正教会の存在感を国民にアピールした瞬間だ。
キリル総主教は同日、メドベージェフ大統領夫妻も参加したミサをモスクワで挙行したが、同じ頃、プーチン首相は出身地のサンクトペテルブルクの正教会キリスト変容教会のミサに参加している。
ロシアのメディアによると、日頃はメディアの質問に答えないプーチン氏もミサ後、待機したメディアの質問に快く応じたという。そればかりではない。ソ連国家保安委員会(KGB)出身の同氏がロシア正教会の洗礼を受けた経緯を語ったのだ。
プーチン氏は「父親の意思に反し、母親は自分が1カ月半の赤ん坊の時、正教会で洗礼を受けさせた。父親は共産党員で宗教を嫌っていた。正教会の聖職者が母親に『ベビーにミハイルという名前を付ければいい』と助言した。なぜならば、洗礼の日が大天使ミハイルの日だったからだ。しかし、母親は『父親が既に自分の名前と同じウラジーミルという名前を付けた』と説明し、その申し出を断わった」という。
また、「キリスト変容教会は1977年以来、キリル総主教の実兄が運営しているが、自分の両親の追悼ミサもここで挙行された」と述べ、洗礼を受けた教会との縁の深さを強調したという。
ウィーン国連のロシア人記者は「ロシア人はプーチン氏の洗礼の話など関心がないよ。一部の欧米メディアが報じただけで、ロシアのメディアはほとんど伝えていないよ」という。
プーチン氏が洗礼を受けた話や家族の事を語った背景には、3月4日実施予定の大統領選を控え、国民に正教徒プーチンをアピールする狙いがあったのかもしれない。
しかし、プーチン氏の願いに反し、ロシア国民はプーチン氏の幼児洗礼の話にはまったく無関心だった、というわけだ。
プーチン大統領は当時、ロシア正教を積極的に支援し、国民の愛国心教育にも活用してきた。プーチン氏自身も教会の祝日や記念日には必ず顔を出し、敬虔な正教徒として振る舞ってきた経緯がある。プーチン氏はロシア正教会復興の立役者といってもいいだろう。
そのロシア正教会最高指導者キリル総主教が正教会のクリスマスの7日、国営テレビのインタビューの中で下院選挙(2011年12月4日実施)での不正問題に言及し、「権力者は国民の抗議に無関心であれば、自浄能力がないことを示す」と指摘、国民の声に謙虚に耳を傾けるべきだと述べた。久しぶりにロシア正教会の存在感を国民にアピールした瞬間だ。
キリル総主教は同日、メドベージェフ大統領夫妻も参加したミサをモスクワで挙行したが、同じ頃、プーチン首相は出身地のサンクトペテルブルクの正教会キリスト変容教会のミサに参加している。
ロシアのメディアによると、日頃はメディアの質問に答えないプーチン氏もミサ後、待機したメディアの質問に快く応じたという。そればかりではない。ソ連国家保安委員会(KGB)出身の同氏がロシア正教会の洗礼を受けた経緯を語ったのだ。
プーチン氏は「父親の意思に反し、母親は自分が1カ月半の赤ん坊の時、正教会で洗礼を受けさせた。父親は共産党員で宗教を嫌っていた。正教会の聖職者が母親に『ベビーにミハイルという名前を付ければいい』と助言した。なぜならば、洗礼の日が大天使ミハイルの日だったからだ。しかし、母親は『父親が既に自分の名前と同じウラジーミルという名前を付けた』と説明し、その申し出を断わった」という。
また、「キリスト変容教会は1977年以来、キリル総主教の実兄が運営しているが、自分の両親の追悼ミサもここで挙行された」と述べ、洗礼を受けた教会との縁の深さを強調したという。
ウィーン国連のロシア人記者は「ロシア人はプーチン氏の洗礼の話など関心がないよ。一部の欧米メディアが報じただけで、ロシアのメディアはほとんど伝えていないよ」という。
プーチン氏が洗礼を受けた話や家族の事を語った背景には、3月4日実施予定の大統領選を控え、国民に正教徒プーチンをアピールする狙いがあったのかもしれない。
しかし、プーチン氏の願いに反し、ロシア国民はプーチン氏の幼児洗礼の話にはまったく無関心だった、というわけだ。