ローマ・カトリック教会最高指導者、ローマ法王ベネディクト16世の出身国ドイツで若者たちが「神への信仰」を失いつつという結果が明らかになった。
 独シェル社が定期的に実施している「青年たちの研究」によると、12歳から25歳のカトリック信者たちの56%が「神への信仰」を重要視せず、「信仰を大切」に考える若者たちは44%に過ぎなかった。ただし、プロテスタント信者では「神への信仰」を重要視する若者の割合は約39%で、旧教徒よりさらに少ない。調査は2604人の若者たちを対象に実施された。
 独教会司教会議議長のロベルト・ツォリチィ大司教は、「若者たちが神への信仰を失っていくのは心が痛い」と吐露している(バチカン放送独語電子版)。
 スペインの首都マドリードで今月16日から21日まで、若いカトリック信者たちの第26回「世界青年の日」(WYD)祭典が開催されたばかりだ。同祭典には192カ国から数十万人の青年たちが参加した。ベネディクト16世も18日から4日間、マドリード入りし、若者たちと交流し、野外礼拝などを開いた。
 ベネディクト16世は24日の一般謁見の際、スペイン訪問を振り返り、「若者たちの熱狂を感じた。それは神への信仰に基づく強固なものだった」と称賛している。
 その直後だ。「ドイツの若者たちは神への信仰を失いつつある」という調査結果が明らかになったわけだ。5000万ユーロを投資したWYD祭典の成功を誇示したいバチカン法王庁にとって、タイミングが悪い。
 現実はどうか。ドイツでも昨年、聖職者の未成年者への性的虐待事件が発覚。聖職者の性犯罪の隠蔽も明らかなった。ドイツ国民の教会を見る眼は一層厳しくなってきた。実際、同国で約18万人の信者が教会を去っていった。若者たちはその教会の実態を知っている。彼らは聖職者の性犯罪問題で他の世代よりもっと傷ついたはずだ。
 若者たちの周囲は神への信仰を高めるものより、世俗化なもので囲まれている。カトリック教会は“イベント宗教”から脱して、神の願いを真摯に伝える伝道と牧会を進めていくべきだろう。聖職者は「神の話」を若者たちにもっとすべきだ。
 
 
【短信】 増加するアルコール中毒
 オーストリアで約33万人がアルコール中毒患者だという。欧州フォーラム「アルプバッハ」に参加した医者たちが警告を発した。
 アルプスの小国オーストリアの人口は約850万人。中毒者の他に約70万人が潜在的中毒患者だというから、国民の約8人に1人がアルコール問題を抱えていることになる。
 グラーツ大学クリニックで昨年、260人の青年がアルコール中毒で運ばれてきたが、10年前に比べると、その数は70%急増している。
 また、アルコール中毒者の年齢は年々、若くなってきている。20年前はアルコール類を飲みだす平均年齢は15歳からだったが、今日、11歳から12歳でアルコール類を飲みだすという。ということは「小学校の段階でアルコール中毒防止の啓蒙教育をする必要がある」わけだ。
 医者たちは会社食堂やガソリン・スタンドではアルコール類の販売を禁止すべきだと要求。特に、運転手がガソリン・スタンドでビール、ワインなどを買って飲めば、飲酒事故を引き起こす危険性が高まるからだ。オーストリア放送電子版が伝えた。