北朝鮮内部情報誌「デイリーNK」(8月12日)によると、北朝鮮の平壌や新義州で「カフェ」が急増し、若いカップルのデートコースとして人気を呼んでいるという。
その記事を読んで、当方は冷戦時代の旧東欧諸国のことを思い出した。1980年後半に入ると、旧東欧の共産政権下の国民の間でもコーヒーが広がっていった。コーヒーは欧米諸国の文化の薫りを伝える飲み物だった。
冷戦時代、旧東欧を取材で飛び回っていた。ルーマニアの首都ブカレストで取材相手から、「コーヒーを飲みませんか」と誘われた時、新鮮な驚きを感じたことを今でも思い出す。コーヒーでゲストをもてなすことは旧東欧では当時、最高級の接待を意味した。
冷戦時代から西側文化に好奇心が強かったマジャール人(ハンガリー人)はウィーンのマリアヒルファー通りで洗剤と共に5キロ袋のコーヒーを大量に購入し、持ち帰っていったものだ。
その直後、旧東欧諸国で民主化運動のドミノ現象が起きて共産政権は次々と崩壊し、民主化されていった。
一連の経緯を目撃してきた当方は、「北でカフェが流行してきた」というニュースを読んだ時、「ああ、北の民主化も近いな」と感じた次第だ。具体的な情報があるわけではないが、コーヒーの薫りが国に広がれば、その国の民主化の夜明けは近い、という思いがあるのだ。
デイリーNKは、「北朝鮮の大都市を中心にカフェが増え、若者を中心にコーヒーが飲まれるようになったのは、多様な外部の文化が流入したことによる変化だ」と分析。そして「昨年脱北した者は、『北朝鮮にカフェができたことに驚かされるが、一般の住民がコーヒーを飲むようになったのは、それだけ住民の意識に変化があることを意味しており、大きな発展だ』と述べた」と報告している。
最後に、コーヒーに纏わる話を紹介する。ウィーンのコーヒーは美味しい。コーヒー豆のせいではない。アルプス山脈から流れる水が美味しいからだ。欧州の都市で蛇口から生水を飲めるところはもはやウィーン市だけだろう。
英国のエリザベス女王がウィーンを公式訪問した時だ。同国ではティータイムになれば、一杯のお茶を飲むのが久しい伝統だ。英王室では海外訪問に出る時、ティー用の水を持参するのが慣わしとなっていた。しかし、ウィーンでは水が美味しいということから、持参した英国の水ではなく、ウィーンの水でお茶を作ったという。
その記事を読んで、当方は冷戦時代の旧東欧諸国のことを思い出した。1980年後半に入ると、旧東欧の共産政権下の国民の間でもコーヒーが広がっていった。コーヒーは欧米諸国の文化の薫りを伝える飲み物だった。
冷戦時代、旧東欧を取材で飛び回っていた。ルーマニアの首都ブカレストで取材相手から、「コーヒーを飲みませんか」と誘われた時、新鮮な驚きを感じたことを今でも思い出す。コーヒーでゲストをもてなすことは旧東欧では当時、最高級の接待を意味した。
冷戦時代から西側文化に好奇心が強かったマジャール人(ハンガリー人)はウィーンのマリアヒルファー通りで洗剤と共に5キロ袋のコーヒーを大量に購入し、持ち帰っていったものだ。
その直後、旧東欧諸国で民主化運動のドミノ現象が起きて共産政権は次々と崩壊し、民主化されていった。
一連の経緯を目撃してきた当方は、「北でカフェが流行してきた」というニュースを読んだ時、「ああ、北の民主化も近いな」と感じた次第だ。具体的な情報があるわけではないが、コーヒーの薫りが国に広がれば、その国の民主化の夜明けは近い、という思いがあるのだ。
デイリーNKは、「北朝鮮の大都市を中心にカフェが増え、若者を中心にコーヒーが飲まれるようになったのは、多様な外部の文化が流入したことによる変化だ」と分析。そして「昨年脱北した者は、『北朝鮮にカフェができたことに驚かされるが、一般の住民がコーヒーを飲むようになったのは、それだけ住民の意識に変化があることを意味しており、大きな発展だ』と述べた」と報告している。
最後に、コーヒーに纏わる話を紹介する。ウィーンのコーヒーは美味しい。コーヒー豆のせいではない。アルプス山脈から流れる水が美味しいからだ。欧州の都市で蛇口から生水を飲めるところはもはやウィーン市だけだろう。
英国のエリザベス女王がウィーンを公式訪問した時だ。同国ではティータイムになれば、一杯のお茶を飲むのが久しい伝統だ。英王室では海外訪問に出る時、ティー用の水を持参するのが慣わしとなっていた。しかし、ウィーンでは水が美味しいということから、持参した英国の水ではなく、ウィーンの水でお茶を作ったという。