与野党から辞任要求を受けている菅直人首相の訪朝計画が日本のメディアで報じられている。単なる噂か、それとも菅首相が練っている人気挽回の“ウルトラC”か、現時点では分らない。
日本のメディア報道によると、与党民主党の中井洽元拉致問題担当相が今月21日から中国・長春を訪問し、日朝交渉担当大使の宋日昊氏と接触したというのだ。ただし、中井洽氏はその報道を否定したという。
そこで欧州駐在の北朝鮮外交官に菅首相の訪朝について聞いてみた。
――菅直人首相の訪朝の噂が出ている。
「日本のメディアが報じているのか。いずれにしても日本首相の訪朝は歓迎する」
――菅首相は与野党から辞任を要求されている。明日でも辞任するかもしれない首相だ。
「そんなことはどうでもいいことだ。何といっても日本首相ではないか。わが国と日本は久しく外交関係がない。だから、あらゆる機会を利用して対話を模索することは両国にとってプラスだ」
――北朝鮮は菅首相をどのように評価しているのか。
「わが国では訪朝した小泉元首相については良く聞くが、菅首相については知らない。とにかく、わが国を訪問したいという日本首相がいることはいいことだ。断わる理由などないだろう。ところで、『菅』という名前は典型的な日本人の名前ではない。多分、大陸から日本に渡った家族の後孫だろう」
以上、
理由はいろいろ考えられるが、北朝鮮は日本との対話を望んでいる事だけは確かだ。ただし、近い将来辞任する日本首相の訪朝を歓迎するということは、北側が拉致問題を含む日本との間の諸問題を真摯に協議する意思はなく、日本から何らかの経済支援を期待していることを示唆している。
北朝鮮はここにきて米国との関係改善に乗り出すなど、対話路線を見せてきている(金桂冠第1外務次官が27日、ニューヨーク入りしたばかりだ)。日本首相の訪朝歓迎表明もその路線上にあるのだろう。
ちなみに、北が使用する「対話」は不利益な状況が生じ、国際社会から一層孤立化した直後に使用する言葉だ、ということだ。すなわち、北にとって「対話」は「事後処理のための手段」であって、決して「紛争解決の手段」ではないということだ(「北朝鮮にとって、『対話』とは何か」2011年1月21日参照)。
日本のメディア報道によると、与党民主党の中井洽元拉致問題担当相が今月21日から中国・長春を訪問し、日朝交渉担当大使の宋日昊氏と接触したというのだ。ただし、中井洽氏はその報道を否定したという。
そこで欧州駐在の北朝鮮外交官に菅首相の訪朝について聞いてみた。
――菅直人首相の訪朝の噂が出ている。
「日本のメディアが報じているのか。いずれにしても日本首相の訪朝は歓迎する」
――菅首相は与野党から辞任を要求されている。明日でも辞任するかもしれない首相だ。
「そんなことはどうでもいいことだ。何といっても日本首相ではないか。わが国と日本は久しく外交関係がない。だから、あらゆる機会を利用して対話を模索することは両国にとってプラスだ」
――北朝鮮は菅首相をどのように評価しているのか。
「わが国では訪朝した小泉元首相については良く聞くが、菅首相については知らない。とにかく、わが国を訪問したいという日本首相がいることはいいことだ。断わる理由などないだろう。ところで、『菅』という名前は典型的な日本人の名前ではない。多分、大陸から日本に渡った家族の後孫だろう」
以上、
理由はいろいろ考えられるが、北朝鮮は日本との対話を望んでいる事だけは確かだ。ただし、近い将来辞任する日本首相の訪朝を歓迎するということは、北側が拉致問題を含む日本との間の諸問題を真摯に協議する意思はなく、日本から何らかの経済支援を期待していることを示唆している。
北朝鮮はここにきて米国との関係改善に乗り出すなど、対話路線を見せてきている(金桂冠第1外務次官が27日、ニューヨーク入りしたばかりだ)。日本首相の訪朝歓迎表明もその路線上にあるのだろう。
ちなみに、北が使用する「対話」は不利益な状況が生じ、国際社会から一層孤立化した直後に使用する言葉だ、ということだ。すなわち、北にとって「対話」は「事後処理のための手段」であって、決して「紛争解決の手段」ではないということだ(「北朝鮮にとって、『対話』とは何か」2011年1月21日参照)。