国際原子力機関(IAEA)の査察官は当方とのインタビューに応じ、「北朝鮮が3回目の核実験を実施するとすれば、ウラン核実験となるはずだ。具体的には、濃縮関連活動開始から十分な濃縮ウランが製造される2012年頃となるだろう」と予想した。
 同査察官によれば、寧辺の核燃料棒は取り外されているから、プルトニウムを新たに製造できない。その上、核燃料棒も一部破損されるなど、劣悪な状況にある。2回の核実験実施で製造済みプルトニウム量は少ない。だから、3回目のプルトニウム核実験は難しいから、次回の核実験はウラン核実験となるという。
 北は昨年、訪朝した米科学者たちに濃縮ウラン活動を視察させたが、あれから2年後の12年には遅くとも核実験に必要な高濃縮ウランが入手できるという計算だ。
 ちなみに、米国の核専門家ジグフリード・ヘッカー博士(スタンフォード大国際安保協力センター所長)は昨年11月訪朝し、北朝鮮でウラン濃縮施設を視察し、「遠心分離機は近代的な制御室を通じて統制されていた」と驚きをもって報告している.
 IAEA査察官によると、「北の核関連施設が集中している同国平安北道寧辺の軽水炉建設敷地から九龍江を超えると核燃料製造工場がある。同工場を通過すると、北のウラン濃縮関連施設が見える。同施設は長さ約130m、幅約25m、高さ約12mの細長い施設だ」という。
 IAEA査察官は一昨年4月まで週1回は査察してきた施設だ。北のウラン濃縮施設は40余りある核関連施設の一つで、「4号ビル」と呼ばれている。ヘッカー博士の説明では建物は2階で、各階に1000基の遠心分離機が設置されるというから合計2000基の遠心分離が設置予定となる」(IAEA査察官)。
 なお、韓国の元世勳(ウォン・セフン)国家情報院長は19日、「北は何時でも核実験できる状況だが、当面は実施しないと予想される」と報告している。
 北朝鮮がパキスタンの原爆の父、カーン博士からウラン濃縮関連技術を入手したことは知られている。北朝鮮のウラン濃縮関連技術を侮ってはならないだろう。
 北朝鮮の核実験の爆発規模は1回目(2006年10月)が1キロトン以下であり、第2回目(09年5月)は最大5キロトンだった。いずれも広島に投下された原爆の爆発規模より小さい。だから、核保有国入りを目指す北は次回、大規模な爆発をもたらす核実験を実施する必要があるわけだ。
 12年は北朝鮮にとって故金日成主席生誕100年目であり、「強盛大国」を実現する歴史的な年だ。同時に、金正日労働党総書記の後継者、金正恩氏が政治の表舞台に出る時期にもなる。第3回目のウラン核実験は金正恩氏の功績と宣伝されるはずだから、失敗は許されない。