エジプトで民主化運動が始まって以来、欧州でトルコに対する再評価の動きがみられ出した。
「風が吹けば桶屋が儲かる」式の論理に聞こえるかもしれないが、「エジプトの政変」の動向に懸念する欧州では「エジプトにとってトルコこそモデル国だ」といった主張が飛び出しているのだ。
英フィナンシャル・タイムズは7日、「アラブの激動と欧州」というタイトルの記事の中で、「中東の国々とのより信頼感のある、より建設的な関係を樹立するためのモデル国はトルコだ」と指摘し、「穏健なイスラム主義政府の下で、政治的、経済的近代化が進み、民主主義が栄えているトルコは、地域における欧州連合(EU)の貴重なパートナーだ。エジプトやチュニジアなど起業家精神に富む中間層を抱える国々が、EUの支援を得て、トルコのような政治的複数主義と経済的進歩への方向に向かうのも不可能ではない」(時事通信訳)と論じている。
ところで、2005年に始まったEUとトルコの加盟交渉は停滞している。「イスラム教を主要宗派とするトルコはキリスト教社会の欧州の一員ではない」として、トルコのEU加盟に反対の声が依然、支配的だ。具体的には、高人口国トルコはEU内で最大の加盟国になり、EUの意思決定を牛耳る危険性などが主な理由だ。
それがエジプトで政変が起きて以来、先述したように「トルコは北アフリカ、中東諸国の民主改革のモデル国だ」といったトルコ再評価の声が欧州で聞こえ出したのだ。
その背景には、イスラム根本主義勢力「ムスリム同胞団」がエジプトの政権を掌握し、欧米の経済的利益と密接な関係のあるスエズ運河を支配下に置くような事態となれば大変だという懸念があるからだ。
そこで人権問題など課題を抱えているとしても、トルコは世俗イスラム国であり、民主改革も久しく進められている。だから、「エジプトもトルコのような世俗的イスラム国家の道を歩んで欲しい」という欧州の願望が“トルコ株”の上昇となって現れてきたとみて間違いがないだろう。
換言すれば、「エジプトの政変」はEU諸国にトルコのもつ戦略的価値を目覚めさせる契機となったというのだ。
「トルコを加盟させれば、イスラム世界との堅固な懸け橋となる」というEU内の少数派意見もここにきて俄然、説得力を増してきたわけだ。
「風が吹けば桶屋が儲かる」式の論理に聞こえるかもしれないが、「エジプトの政変」の動向に懸念する欧州では「エジプトにとってトルコこそモデル国だ」といった主張が飛び出しているのだ。
英フィナンシャル・タイムズは7日、「アラブの激動と欧州」というタイトルの記事の中で、「中東の国々とのより信頼感のある、より建設的な関係を樹立するためのモデル国はトルコだ」と指摘し、「穏健なイスラム主義政府の下で、政治的、経済的近代化が進み、民主主義が栄えているトルコは、地域における欧州連合(EU)の貴重なパートナーだ。エジプトやチュニジアなど起業家精神に富む中間層を抱える国々が、EUの支援を得て、トルコのような政治的複数主義と経済的進歩への方向に向かうのも不可能ではない」(時事通信訳)と論じている。
ところで、2005年に始まったEUとトルコの加盟交渉は停滞している。「イスラム教を主要宗派とするトルコはキリスト教社会の欧州の一員ではない」として、トルコのEU加盟に反対の声が依然、支配的だ。具体的には、高人口国トルコはEU内で最大の加盟国になり、EUの意思決定を牛耳る危険性などが主な理由だ。
それがエジプトで政変が起きて以来、先述したように「トルコは北アフリカ、中東諸国の民主改革のモデル国だ」といったトルコ再評価の声が欧州で聞こえ出したのだ。
その背景には、イスラム根本主義勢力「ムスリム同胞団」がエジプトの政権を掌握し、欧米の経済的利益と密接な関係のあるスエズ運河を支配下に置くような事態となれば大変だという懸念があるからだ。
そこで人権問題など課題を抱えているとしても、トルコは世俗イスラム国であり、民主改革も久しく進められている。だから、「エジプトもトルコのような世俗的イスラム国家の道を歩んで欲しい」という欧州の願望が“トルコ株”の上昇となって現れてきたとみて間違いがないだろう。
換言すれば、「エジプトの政変」はEU諸国にトルコのもつ戦略的価値を目覚めさせる契機となったというのだ。
「トルコを加盟させれば、イスラム世界との堅固な懸け橋となる」というEU内の少数派意見もここにきて俄然、説得力を増してきたわけだ。