イラン人作家、アミール・ハッサン・チェヘルタン氏(Amir Hassan Cheheltan) は独紙フランクフルター・アルゲマイネとのインタビューの中で、「イランの青年たちがキリスト教に強い関心を示してきた」と指摘し、注目されている。
 シーア派イスラム教国のイランではイスラム教から他宗へ改宗した場合、死刑を意味するが、それにも関らず、多くのイラン人がキリスト教に惹かれてきたという。同氏は「わが国は地下ディスコ、地下音楽、そして地下教会も存在する」という。
 同氏によれば、若いイラン青年たちの間でキリスト教に関心が高まっているが、その背後には現イラン政権のアフマディネジャド大統領への抗議という意味合いが含まれているという。
 同氏は「イランでは現政権の統治政策がイスラム教の真理と同列視されることから、多くの若者たちが混乱に陥っている。そのため、多くの青年たちが他の宗派に関心を寄せる結果となっている」と主張した。
 ちなみに、同国では出版物への検閲が強化され、新聞、衛星放送、学生関連の出版物が禁止されていることから、若者の間で政府への不満が充満している。
 同氏は「イランではクリスマス以来、キリスト教徒の弾圧、逮捕が多発している。イラン当局は宣教活動を活発化してきたプロテスタント信者をターゲットに逮捕を繰り返している」という。逮捕者は先ず「改宗したイスラム教徒」、その次に「改宗を促したキリスト者」だという。
 イラン当局はキリスト教の拡大を「米国と英国が支援した腐敗した運動であり、敵国の文化侵略だ」と警告を発している。
 ロサンゼルスに本拠を置く宗教の自由擁護団体「オープンドアーズ」によると、ハメネイ師は昨年10月19日、コム市(首都テヘランより250キロ南の都市)で演説し、西側の影響の危険性を強調、その実例として同国で地下活動し、その勢力を拡大している独立キリスト教の家庭教会を挙げている。同師は「家庭教会はイスラム教の脅威となっている。特に、若いイスラム教徒が引っ張られている」と指摘している。チェヘルタン氏の主張が正しいことを裏付けている。
 オープンドアーズによると、イランには約45万人のキリスト信者がいるが、その大多数はイスラム教から改宗した信者たちだ。