北朝鮮軍の韓国・延坪島砲撃後、朝鮮半島で戦争勃発の危険が高まってきたが、ローマ・カトリック教会総本山のバチカン法王庁は朝鮮半島の戦争回避のため、南北両国の自制を求める一方、世界の信者たちに朝鮮半島の平和実現のための「祈り」を呼びかけている。
 ローマ法王べネディクト16世は25日、慣例のクリスマス・メッセージで世界の平和のために祈りを捧げたが、中東和平の実現と共に朝鮮半島の平和のために祈ったばかりだ。北の砲撃を受けた延坪島の聖堂でも24日、平和を祈るミサが開かれたという。
 韓国の李明博大統領は27日、ラジオ演説の中で「戦争を回避するためには戦争を恐れてはいけないない」と述べ、国民に団結を呼びかけたが、戦争回避の手段としては、政治、外交、軍事的な努力は当然だが、「祈り」もその中に入るだろう。
 ちなみに、トルクメニスタンで今年、「祈りが禁止された」という情報が流れたことがあったが、邪心のない素直な祈りは世界を動かすといわれる。逆に、独裁者は国民の「祈り」を極度に警戒しているものだ。
 メデイアでは報じられなかったが、世界基督教統一神霊協会(通称・統一教会)の創設者、文鮮明師は世界の信者たちに「朝鮮半島で戦争勃発の危険が高まっている。戦争回避するために祈祷を捧げよう」と述べ、韓国の麗水で祈祷集会を開き、世界から統一教会信者たちが集まったという。
 世界の全ての宗教人が朝鮮半島の平和と統一のために祈りを結集すれば、その力は核兵器をも凌ぐパワーとなるだろう。
 なお、ローマ法王ベネディクト16世は2011年度1月1日の「世界平和の日」のテーマを「信仰の自由、平和への道」と決定したが、朝鮮半島の平和実現は全ての宗教家たちの大きな課題でもある。