10月26日(火曜日)はオーストリアのナショナルデー(建国記念日)だ。商店も学校も休みとなる。それだけではない。ウィーンの国連機関もホスト国の建国記念日に尊敬を払うという意味でかどうかは知らないが、とにかく休みだ。
 学校では、月曜日を休みにして週末の土・日曜を入れて4日間休む学校がある。子供にとってはクリスマス休暇前の大型連休となるわけだ。
 ナチス・ドイツ軍に併合されて敗戦を味わい、10年間、連合国軍(米英ロ仏)4カ国の占領時代を経た後、1955年、当時のレオボルト・フィグル外相がベルヴェデーレ宮殿内で「オーストリア イスト フライ(オーストリアが自由に)」と叫び、再び独立国となった。あれから今年で55年目を迎えたわけだ。
 同国は冷戦時代、永世中立国家として東西両欧州の掛け橋的な役割を果たし、東欧諸国から約200万人の政治亡命者を受け入れ、難民収容所国としての名を残す一方、ホフブルク宮殿で全欧安保協力会議(CSCE、現在は欧州安保協力機構=OSCEと改名))のホスト国として冷戦の終焉に大きな足跡を残してきたことは周知の事実だ。
 また、音楽の都ウィーンには国際原子力機関(IAEA)や国連薬物犯罪事務所(UNODC)、国連工業開発機関(UNIDO)などの国連機関や石油輸出国機構(OPEC)など30を越える国際機関の本部がある。
 ウィーン市の英雄広場では毎年、建国記念日の26日には連邦軍が戦車やヘリコプターを披露してウィーン市民に国防の実態を紹介している。天気が良ければ、多くの親子連れが見学にやってくる。
 ちなみに、オーストリアが国連の平和維持活動に参加して今年で50周年目を迎えた。そこで前日の25日、ダラボス国防相やウィーンの国連広報担当官らを迎え、記者会見が開かれた。
 同国は1960年から今日まで総数約9万人の兵士を平和維持軍に派遣し、今日も1177人の兵士が外国の地で駐留している。これまでコソボ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ゴラン高原などでその使命を果たしてきたという。
 なお、永世中立国の同国では兵役義務(6カ月間)が施行されているが、ここ数年、兵役義務の廃止、職業軍人の育成について活発な議論が行われてきている。
 ダラボス国防相は「中立主義と国際連帯は矛盾しない」と強調し、中立国家として国連平和維持活動に今後とも積極的に取り組んでいく姿勢を示している。