北朝鮮で金正日労働党総書記の後継者に決定した三男、金正恩氏の「称賛と美化」が同国メディアを中心に溢れているという。予想されたことだが、現実はそれ以上だ。
先ず、北朝鮮メデイアでみられる金正恩氏への「称賛と美化」を韓国の連合ニュースから少し紹介する。
北当局は党創建65周年の10日、「不世出の領導者を迎えたわが民族の幸運」と題した「放送正論」を住民に聴取させたという。それによると、正恩氏は経済・文化だけではなく、歴史と軍事にも精通し、2年間のスイス留学で英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語をマスターし、現在、中国語、日本語、ロシア語を学習中という。まさに、語学の天才だ。
当方は30年前、ロンドンから初めてドイツ語圏入りした時、ドイツ語のウムラウトやその文法に頭を悩まされたものだ。語学の天才・正恩君からみたら「ダメおやじ」と揶揄されるかもしれない。
また、その天才ぶりは農業分野にも及び、正恩氏が作成した標準肥料表に従った結果、翌年の収穫が「1町歩当たり最高で15トンの稲が収穫された」という。
これが事実ならば、国際食糧農業機関(FAO)にとって朗報だろう。北朝鮮の恒常的な食糧不足は解決したものと同じだ。韓国も米国も北に人道支援として食糧支援する必要はもはやなくなる。
ところで、父親・金正日総書記には1200余りの呼称がある。一般の人でも知っている呼称は、「偉大な指導者」「偉大な首領さま」だろうか。ここで1200余りの呼称を全部羅列すれば、コラム欄の紙面がなくなるから、代表的な呼称を挙げる。「絶世の偉人」「偉大なる領導者」「先軍思想の具現者」から「完全無欠な軍事家」「不敗の司令官」まで。また「革命の太陽」「わが民族の太陽」「人類の太陽」「21世紀の太陽」と「太陽」が伴う呼称まで幅がある。それだけではない。映画や文学に造詣の深い金総書記には、「世界的大文豪」「天から降臨した英雄」「音楽の天才」等の呼称も忘れてはならない。金総書記の前では、ドストエフスキーもモーツアルトもタジタジだ。
しかし、実際はそれらの「称賛と美化」が空虚な言葉に過ぎないことを月光仮面だけではなく、誰もが知っている。
「称賛と美化」の発信元・北関係者は心からそのように思って称賛・美化しているわけではないはずだ。一方、金総書記も自身を「称賛と美化」する幹部たちを本心では信じていないといわれる。当然だろう。「人類の太陽」「21世紀の太陽」などと呼ばれたら、普通人は「止めてくれよ」と叫び出すだろう。
しかし、北では連日、国営メディアを中心に指導者への「称賛と美化」が絶えない。発信側も受け手側も信じていない「称賛と美化」が独り歩きしている。何と“寒々とした”世界ではないか。「言葉」(ロゴス)がその意味とその対象を失った世界なのだ。
金正恩氏は30代に入る前から「称賛と美化」の洗礼を受け出した。祖父・故金日成主席、父親の金総書記、そして息子の金正恩氏と3代続く世襲国家・北朝鮮では、指導者への「称賛と美化」が彼らを“褒め殺し”し哄笑している。
先ず、北朝鮮メデイアでみられる金正恩氏への「称賛と美化」を韓国の連合ニュースから少し紹介する。
北当局は党創建65周年の10日、「不世出の領導者を迎えたわが民族の幸運」と題した「放送正論」を住民に聴取させたという。それによると、正恩氏は経済・文化だけではなく、歴史と軍事にも精通し、2年間のスイス留学で英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語をマスターし、現在、中国語、日本語、ロシア語を学習中という。まさに、語学の天才だ。
当方は30年前、ロンドンから初めてドイツ語圏入りした時、ドイツ語のウムラウトやその文法に頭を悩まされたものだ。語学の天才・正恩君からみたら「ダメおやじ」と揶揄されるかもしれない。
また、その天才ぶりは農業分野にも及び、正恩氏が作成した標準肥料表に従った結果、翌年の収穫が「1町歩当たり最高で15トンの稲が収穫された」という。
これが事実ならば、国際食糧農業機関(FAO)にとって朗報だろう。北朝鮮の恒常的な食糧不足は解決したものと同じだ。韓国も米国も北に人道支援として食糧支援する必要はもはやなくなる。
ところで、父親・金正日総書記には1200余りの呼称がある。一般の人でも知っている呼称は、「偉大な指導者」「偉大な首領さま」だろうか。ここで1200余りの呼称を全部羅列すれば、コラム欄の紙面がなくなるから、代表的な呼称を挙げる。「絶世の偉人」「偉大なる領導者」「先軍思想の具現者」から「完全無欠な軍事家」「不敗の司令官」まで。また「革命の太陽」「わが民族の太陽」「人類の太陽」「21世紀の太陽」と「太陽」が伴う呼称まで幅がある。それだけではない。映画や文学に造詣の深い金総書記には、「世界的大文豪」「天から降臨した英雄」「音楽の天才」等の呼称も忘れてはならない。金総書記の前では、ドストエフスキーもモーツアルトもタジタジだ。
しかし、実際はそれらの「称賛と美化」が空虚な言葉に過ぎないことを月光仮面だけではなく、誰もが知っている。
「称賛と美化」の発信元・北関係者は心からそのように思って称賛・美化しているわけではないはずだ。一方、金総書記も自身を「称賛と美化」する幹部たちを本心では信じていないといわれる。当然だろう。「人類の太陽」「21世紀の太陽」などと呼ばれたら、普通人は「止めてくれよ」と叫び出すだろう。
しかし、北では連日、国営メディアを中心に指導者への「称賛と美化」が絶えない。発信側も受け手側も信じていない「称賛と美化」が独り歩きしている。何と“寒々とした”世界ではないか。「言葉」(ロゴス)がその意味とその対象を失った世界なのだ。
金正恩氏は30代に入る前から「称賛と美化」の洗礼を受け出した。祖父・故金日成主席、父親の金総書記、そして息子の金正恩氏と3代続く世襲国家・北朝鮮では、指導者への「称賛と美化」が彼らを“褒め殺し”し哄笑している。
