ウィーン市見本市会場で開催中の第18回「国際エイズ会議」を取材した。主要テーマはエイズ対策への資金確保と治療問題の2点だ。エイズ問題専専門家たちからは「主要国のエイズ対策援助の停滞」が指摘される一方、エイズに感染した子供たちへの治療強化がアピールされた。
 ところで、エイズ感染者数は依然、アフリカとアジア地域が多いが、ここにきて東欧と中央アジア地域で急増してきたという。
 国連児童基金(ユニセフ)のアンソニー・レーク事務局長は19日、「東欧と中央アジア地域ではエイズ感染の拡大テンポがアフリカより早まっている」と報告し、「エイズ感染者数は2006年以来、7倍化。ウクライナでは国民の1・5%がエイズに感染している。最大の犠牲者は子ともたちだ」という。
 ユニセフのHPでは「この地域で抗レトロウイルス薬治療を受ける必要がある人々のうち、治療を受けている人の割合は、わずか24%に過ぎない。エイズ問題には、麻薬注射の常習者などの問題もあり、強い偏見や差別が存在している」と指摘している。
 世界保健機関(WHO)エイズ対策局上級戦略アドバイサー、バル博士も「西欧でエイズの感染状況に大きな変化がない一方、東欧では急速に拡大してきた」と警告を発する。
 2008年現在で欧州では、120万人以上のエイズ感染者が存在する。08年10万人以上の新感染者が出たが、その内訳をみると、西欧で約2万人に留まっているが、東欧で約8万人が新たに感染している。その拡大テンポは速い。
 東欧諸国の中ではウクライナが最もエイズ感染者が多い。同国だけでも今日、150万人のエイズ感染者がいる、という統計すら発表されているほどだ。いずれにしても、東西の両欧州間でエイズ感染の拡大速度が異なってきたわけだ。
 感染のルーツをみると、欧州では感染者の50%以上が麻薬の注射針から感染しているという。