19日の対オランダ戦後半、日本に痛い失点となったゴールを撃ったオランダ代表の姿を思い出すファンも多いだろう。当方も敬意と悔しさを感じながらヴェスレイ・スナイダー選手(Wesley Sneijder)を思い出す一人だ。
 あのスナイダー選手が先週、カトリック教会で洗礼を受けた。オランダのメディアが22日、報じ、バチカン放送(独語電子版)が23日、伝えた内容だ。
 バチカン放送は、今月9日で26歳となったオランダ代表のMFが洗礼を受けた背景を少し紹介している。それによると、同選手のガールフレンドが昨年、ローマで教会の洗礼を受けるように助言し、それを受け入れたという。それ以降、スナイダー選手は毎日祈るようになったという。
 スナイダー選手はイタリアの名門クラブ、インテル・ミラノのスーパー選手だ。当方は2年前、スイスとオーストリア両国共催のサッカー欧州選手権でスナイダー選手を初めて知った。同選手の凄さはパスワークの正確さ、シュート力だ。初めて見た時、こんな選手がいたのか、とビックリしたほどだ
 南アフリカ開催のワールドカップ(W杯)直前に行われた欧州クラブ・チャンピオン選手権で、ドイツのバイエルン・ミュンヘンと対戦した時も活躍した。W杯でも怪我で負傷したMFアリエン・ロッベン選手の不在を補って余りある選手だ。日本人ファンにとって残念だったのは、同選手がその実力を対日戦でも遺憾なく発揮してしまったことだ。あのシュートはGK川島のミスもあったが、防ぐのが難しい弾丸シュートだった。
 スナイダー選手が所属するインテル・ミラノは2009−10年シリーズでイタリア史上初の3冠(セリエA、コッパ・イタリア、UEFAチャンピオンズリーグ)に輝いたばかりだ。ジョゼ・モウリーニョ監督の手腕もあったが、同選手の活躍がなければ達成できなかった偉業だ。
 あのスナイダー選手が洗礼を受け、毎日、祈るのだ。パワフルな選手として今後も活躍が期待される選手の一人だ。