ウィーン市のオーストリア応用美術博物館(MAK)で先月18日から開催中の北朝鮮の芸術・建築作品の展示会は9月5日まで一般公開される。「平壌民族ギャラリー」とMAKの共催の同展示会には、約100点の絵画と約30点のポスターが出品されている。展示会のタイトルは「金日成主席への花、北朝鮮からの芸術と建築」だ。今回のような大規模な北芸術展示会は海外では初めてだ(「欧州初の北芸術展示会、オープン」2010年5月20日参照)。

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◆ウィーンのMAKで開催中の北芸術展示会用のカタログ(35ユーロ)

 記者会見や開催初日には300人以上のゲストや訪問者があり、展示会場は立錐の余地もないほど混んでいた。あれから3週間余りが経過した。そこでMAKの報道官、モニカ・ミリン女史(Monika Meryn)に展示会の中間経過を聞いてみた。

 ――北芸術展示会はオープンして約3週間が経過した。訪問者の動向はどうか。
 「MAKは展示会の訪問者数を公表していないから、あなたの質問には答えられない。とにかく、展示会は好評だ」

 ――展示会の訪問者数は一日平均20人から30人と少なく、閑古鳥が鳴くようだ、という評判を聞いた。
 「馬鹿な、そんなことはない。展示会は毎日、訪問者で溢れている。それは悪意に満ちた中傷だ」

 ――展示会の訪問者は連日、溢れているとして、訪問者の反応はどうか。
 「訪問者の反応について、自分は語る立場ではない。展示会はこれまで順調だ」

 ――展示会場内の警備員数が通常の展示会より多い。
 「確かに、警備員の数は多い。MAKでは重要な絵画を保護するガラスなどを設置していないからだ。その不足を警備員の増員でカバーしている」

 ――ウィーン市民の間には独裁国家北朝鮮の芸術展示会開催に批判の声もあるが、これまで展示会開催で不祥事などは生じていないか。
 「何も生じていない。繰り返すが、展示会は計画通り順調に進んでいる。あなたは何を知りたいのか」

 ――展示会は計画では9月5日までと長丁場だが、展示会開催期間を短縮するとか、変更はあるか。
 「展示会開催期間は予定通りだ。短縮しなければならない理由はない」

 以上


 MAK報道官の話を総括するならば、欧州で初の北芸術展示会は好評で順調ということだ。
 なお、MAKの北芸術展示会場の前で先月29日、200人余りの駐オーストリアの韓国人が北側の韓国哨戒艦爆破に抗議するデモ集会を開催したが、MAK報道官はその出来事には一切言及しなかった。