北朝鮮とイタリアが国交を樹立して今月20日で10周年を迎えた。それを記念してイタリアから議員使節団が20日、平壌を訪問した一方、ローマでは同日、北朝鮮大使館で祝賀会が開催された。
 北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)によると、ローマの北大使館で開催された祝賀会ではイタリア上院外務委員会メンバー、外務省関係者、アジア研究所の学者らが参加したという。イタリアのステファ二ア・クラクシ外務政務次官は「北朝鮮との関係は過去10年間で多方面で発展してきた。将来はそれを更に高い段階へアップされることを期待する」と祝辞を述べている。
 イタリアが2000年1月、当時の先進7カ国(G7)の中で先駆けて北朝鮮と国交を樹立して以来、イタリア・北両国関係は急速に深まってきたことは、当ブログ欄でも度々紹介してきた。北朝鮮はローマに同国貿易関係企業の事務所を続々とオープンし、イタリア企業との貿易関係を強化している。例えば、イタリアの自動車メーカー、フィアット社は北朝鮮企業の自動車産業を支援している、といった具合だ。
 欧米諸国が国連決議に基づき北朝鮮への贅沢品の輸出を禁止しているため、金正日労働党総書記の誕生日プレゼント用の調達が難しくなってきた、と考えられてきたが、北側はベンツなど高級車や高速ボートなど贅沢品をローマ経由で調達していることが判明している。最近では、金正日総書記の高級品調達人、権栄緑氏がオーストリアの企業を通じてイタリアのヨット製造会社に金正日総書記用の高級ヨットを注文している(同取引きは昨年夏、発覚し、水泡に帰した)。
 ちなみに、金総書記は自国の優秀な学生たちを多数、ローマに留学させるなど、人的交流も忘れていない。
 また、イタリアの首都ローマは国連都市だ。国連食糧農業機関(FAO)、世界食糧計画(WFP)、国際農業開発基金(IFAD)の本部や事務局がある。食糧問題を抱えている北朝鮮にとって、これらの国際機関との接触は非常に重要だ。
 北朝鮮がイタリアとの関係を重視する背景について、オーストリア内務省の北朝鮮担当官は「イタリアの法治体制が依然、緩やかであり、国民総生産(GNP)の約10%がマフィア・グループの不法経済によって占められている国だ。北にとって、他の欧州諸国より付き合いやすいというメリットがあるからだろう」と説明してくれた。