天野之弥氏が国際原子力機関(IAEA)事務局長に就任して50日余りが過ぎたが、新事務局長に対して「天野氏はメディアを嫌っている」「静かな事務局長」(extraordinarily quiet)といった評判がウィーンに拠点を置くメディア関係者で聞かれる。「新事務局長のアンチ・メディア政策」と呼ぶメディアもいるほどだ。
それに対し、IAEA広報担当官は「新事務局長には時間を与えるべきだ。新事務局長はメディアとの付き合い方を知っている。3月開催の理事会が終われば、メディア関係者との懇談を重視していくのではないか」と説明し、それまでは新事務局長を見守ってほしいと語った。
IAEAのHPをみると、天野事務局長は最初の外国訪問として昨年12月中旬、ナイジェリアを3日間訪問し、がん対策への核医療などで意見を交換し、今年に入ってからは8日、ニューヨークで潘基文事務総長と会談。15日にはカザフスタンのサウダバエフ外相の表敬訪問を受けるなど、多忙の日々だ。
12年間のエルバラダイ事務局長時代に慣れてきたメディア関係者にとって、「新事務局長はメディア嫌い」と受け取るのは理解できる。前事務局長は1週間に1度、大手のメディア関係者との会見に応じるほどメディア好きだったからだ。
しかし、国連の専門機関事務局長がメディア関係者と頻繁に会い、インタビューに応じ、情報を提供する必要はないだろう。ちなみに、エルバラダイ前事務局長はメディアを巧みに利用した政治発言が少なくなかった。会見好きな事務局長がメディア受けがいいのは、これまた当然だろう。
当コラム欄で「エルバラダイ氏の功罪」(2009年11月27日)という記事を書いたが、過去12年間で政治機関化したIAEAを核専門機関に復帰するためには、加盟国間の利害を調整できる事務局長が重要だ。華やかなパフォーマンスではない。
もちろん、これまで独占的に情報を入手してきた大手メディア関係者には「静かな事務局長」は面白くないだろう。当方はジャーナリストの1人として、公平で透明性のあるメデイア政策を新事務局長に期待する。
それに対し、IAEA広報担当官は「新事務局長には時間を与えるべきだ。新事務局長はメディアとの付き合い方を知っている。3月開催の理事会が終われば、メディア関係者との懇談を重視していくのではないか」と説明し、それまでは新事務局長を見守ってほしいと語った。
IAEAのHPをみると、天野事務局長は最初の外国訪問として昨年12月中旬、ナイジェリアを3日間訪問し、がん対策への核医療などで意見を交換し、今年に入ってからは8日、ニューヨークで潘基文事務総長と会談。15日にはカザフスタンのサウダバエフ外相の表敬訪問を受けるなど、多忙の日々だ。
12年間のエルバラダイ事務局長時代に慣れてきたメディア関係者にとって、「新事務局長はメディア嫌い」と受け取るのは理解できる。前事務局長は1週間に1度、大手のメディア関係者との会見に応じるほどメディア好きだったからだ。
しかし、国連の専門機関事務局長がメディア関係者と頻繁に会い、インタビューに応じ、情報を提供する必要はないだろう。ちなみに、エルバラダイ前事務局長はメディアを巧みに利用した政治発言が少なくなかった。会見好きな事務局長がメディア受けがいいのは、これまた当然だろう。
当コラム欄で「エルバラダイ氏の功罪」(2009年11月27日)という記事を書いたが、過去12年間で政治機関化したIAEAを核専門機関に復帰するためには、加盟国間の利害を調整できる事務局長が重要だ。華やかなパフォーマンスではない。
もちろん、これまで独占的に情報を入手してきた大手メディア関係者には「静かな事務局長」は面白くないだろう。当方はジャーナリストの1人として、公平で透明性のあるメデイア政策を新事務局長に期待する。