海外に住むエジプトのコプト派正教グループは14日、ウィーンで国際記者会見を開いた。当方も招待を受けたので参加した。エジプトのコプト派正教はキリスト教東方教会の一派で、アラブ・イスラム諸国では最大のキリスト教派だ。
 記者会見の目的は、エジプトのキリスト教コプト派正教徒への迫害実態を国際社会にアピールすること。直接の契機は、同国南部ケナ県ナグハマディで6日夜、3人のイスラム過激派がクリスマスを準備中のコプト派正教徒を狙って機関銃で乱射した事件だ。同襲撃事件で7人の信者たちが死亡、多数が重軽傷を負った。
 コプト派正教代表は「エジプトでのコプト派正教徒への迫害は激しさを増してきた。国際社会はその実態を調査し、信教の自由の尊重をエジプト当局に要求すべきだ」と主張し、ナグハマディ襲撃事件に対し、以下の「6項目」を要求した。


1)襲撃犯人とその黒幕への公平な刑罰を。彼らはキリスト者への襲撃を目的とした組織化されたイスラム過激派だ
2)犠牲者と遺族への補償
3)治安担当責任者ナジャ・ハマディ(Nag Hamady)の責任を裁判で追及し、解任すべきだ
4)政府の公式な謝罪と内相の辞任要求
5)コプト派信者襲撃事件の全容解明、国家メディアのコプト派への憎悪宣伝の中止
6)射殺が明らかなのに、若い犠牲者の遺体を解剖した。どうして解剖が必要だったのかを関係者は説明をすべきだ(臓器摘出とその売買を示唆)


 なお、コプト派正教グループは今月21日午後14時、ウィーン市内でナグハマディ襲撃事件に抗議するデモを開催する。