コペンハーゲンで開催された気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)は、法的拘束力のある新しい枠組みづくりは実現できず、「コペンハーゲン宣言」を留意するという決議を採択して閉幕した。
 何をいまさらいいたいのか、といわれるかもしれないが、書き忘れたことがあるのでここで言及する。
 環境問題はもはや一部政治家の課題でもなく、中国、インド、ブラジルといった新興国の対応次第でもない。当方が指摘したい点は、「家庭の崩壊」と「環境問題」が密接な繋がりがあるということだ。
 「家庭崩壊」といわれて久しいが、離婚の増加、シングルの増加が環境悪化の誘因となっている。換言すれば、離婚はCO2の放出を増加する原因の一つという事実だ。
 説明する。結婚しない人々が増え、離婚が増えれば社会は確実に変化する。先ず、住居構造が変化せざるを得ない。例えば、ウィーン市は市営住宅を運営しているが、その住居構造はこれまで大家族を前提に設計されてきた。少なくとも、5人家族だ。となれば、3部屋ないしは4部屋構造の住居が必要だ。設計士や建築家は部屋数を考えなければならない。しかし、結婚しないシングルが増えると、部屋数は3部屋もいらない。子供部屋も設計図から排除できる。その一方、シングルが増えるので住居数が必要となる。公営住宅の設計士は今日、シングル用住居を多く建設しなければならないわけだ。
 その結果、どうなるか。これまで5人家族が夕食、一緒にテレビを見ていたが、その5人がそれぞれシングルの住居を構えると考えればいい。1軒に1台のテレビ、洗濯機、風呂場が必要となる。そうなれば、電気、ガス、水が多く使用される。1人1人が自動車を利用すれば、排気ガスが当然増える。
 これで分かるように、シングルが増えることで、環境汚染が更に拡大するわけだ。これは「風が吹けば桶屋が儲かる」という論理ではなく、現実の論理だ。
 当方が知る限りでは、この点を指摘したCOP15の参加者はいなかった。そこで少し遅くなったが、書き記した次第だ。健全な家庭つくりは、環境保護にも繋がる大切な課題であることが一層、判明するのではないか。