警察隊が21日早朝、学生たちによって占領されてきたウィーン大学大講堂に突入し、学生たちを退去させ、61日間続いた学生不法占領に終止符を打った。
 ホールにいた15人余りの学生たちは抵抗なく退去する一方、学生たちに混ざって闖入していた約80人のホームレスたちもメインホールから出て行った。
 学生たちは学費無料、教育政策の改善などを訴えてウィーン大の大講堂(Audimax)を占領し、文部省関係者との対話を要求する一方、路上デモを繰り返してきた。最高時にはオーストリア全土で約2万人の学生たちがデモに参加した。
 学生デモは当初、ウィーン市民らの支援を受けていたが、大講堂が長期占領されたため通常の講義ができなくなった。そこで大学側が別の場所を借りて講義を行ってきたが、そのための経費は膨らんできた。それに呼応して、市民の学生デモへの支持は減少していった。
 結局、10月22日から始まった学生運動は大きな成果をもたらすことなく、クリスマスが近づくと、メインホールに居座ってきた学生たちの数は減少する一方、暖かい場所を探して闖入してきたホームレスたちの数が学生数を大きく上回っていった。
 ところで、ウィーン大の大講堂は解放されたが、左翼学生たちはウィーン大日本学科研究所があるキャンパスの聴講ホールCを依然、占領している。左翼学生たちはそこを拠点にデモを継続する考えだ。
 当コラムの読者ならご存知だが、日本学科研究所周辺に左翼学生たちが結集するのは決して偶然ではないだろう(「ウィーンと日本赤軍と北朝鮮」2007年6月7日、「駐ウィーン日本大使館の失策だ」09年5月25日)。
 なお、クリスマス休暇明けの新年1月7日以降、故郷から戻ってきた学生たちが再び、大講堂を占領する可能性があるとして、学校当局や警察当局は警戒を緩めていない。