国際麻薬統制委員会(INCB)のコウアメ事務局長は年内に訪朝する予定だ。訪朝目的は北朝鮮政府主催の麻薬管理に関するワークショップに参加することだ。
 事務局長は「正式な日程はまだ決定していないが、年内には訪朝する。ワークショップでは北の麻薬問題担当者に麻薬管理に関するレクチャーをする予定だ」という。
 事務局長は2006年6月28日から3日間、訪朝し、平壌で外務次官など高官と協議した。その成果は翌年3月、北朝鮮の国際麻薬条約加盟となって現れたことは周知の事だ。
 北朝鮮は07年3月、「麻薬一般に関する憲章」(1961年)、「同修正条約」(71年)、「麻薬および向精神薬の不正取引に関する国際条約」(88年)の3つの国際条約に加盟した。
 北朝鮮外交官は加盟表明の直後、「INCBはわれわれを助けてくれたが、UNODCは批判するだけで何もしてくれなかった」と述べ、麻薬関連の国連機関、国連薬物犯罪事務所(UNODC)を貶す一方、INCBに対して称賛したことはまだ記憶に新しい。
 コウアメ事務局長は「INCBは過去、北当局とじっくりと話し合ってきた。その際、相手を決して批判せず、忍耐強く、彼らの主張を傾聴する一方、北当局に国際条約加盟の必要性を説得してきた」と説明し、対北交渉で成功するノウハウを披露してくれた。すなわち、「批判せず、相手の主張を忍耐強く聞くこと」だ。
 事務局長は「ワークショップの成果などについては帰国後、報告する」という。今回の訪朝がどのような成果をもたらすか、注目される。
 なお、北朝鮮が国家レベルで麻薬密売に関与しているという情報については、INCBは「それに関連したメディア報道は知っているが、北の関与を裏付ける物証はない。北の関与を主張する米国側に詳細な報告の提出を要請してきたが、これまで入手していない」と指摘し、米国の北の麻薬密売関与説については一定の距離を置いている。