韓国の連合ニュースによると、在外の北朝鮮大使らが現地の韓国大使館に設置された金大中元大統領の焼香所を訪ね、弔問したという。
 同ニュースによると、駐英北朝鮮大使館の慈成男(チャ・ソンナム)大使、パリの駐国連教育科学文化機関(ユネスコ)の孫武信(ソン・ムシン)大使、ニューヨークの駐国連北代表部の申善虎(シン・ソンホ)大使、そして駐南ア北大使館の安煕正(アン・ヒジョン)大使が現地の韓国大使館を訪ね、弔問したという。かなり異例なことだ。北朝鮮が「太陽政策」を提唱した故金大中元大統領に対し、特別な思いがあることを示している。
 ところで、当方が住むオーストリアの韓国大使館にも北朝鮮外交官の弔問があったかどうかを確認するためにウィーン18区にある韓国大使館に電話した。それによると、駐オーストリアの北大使館からは誰も姿を見せなかったという。ウィーンの韓国大使館側は23日まで弔問を受け入れていたが、芳名録には北朝鮮関係者名はなかった。
 駐ウィーンの北朝鮮大使館を弁明する気はないが、金大中元大統領死去のタイミングが良くなかった。駐オーストリアの金光燮大使(金正日労働党総書記の義弟)は6月末から約3カ月間の日程で平壌に帰国中だ。金大使の代理は一応ハム・ソンフン参事官だが、参事官レベルでは政治的インパクトがない。それとも、大使不在の駐オーストリアの北朝鮮大使館には平壌から弔問の指令が届いていなかったのかもしれない。
 蛇足だが、金光燮大使は重要な時にいつも任地のウィーンを離れている。2回の核実験前後もそうだった。駐オーストリアの駐在期間は既に16年を過ぎたが、大使の長期駐在の秘訣は「難題や不祥事には関与せず、毎年3カ月間の夏期休暇を享受することではないか」といいたくもなる。