北朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は23日、金正日労働党総書記の偉大なる業績の継承を主張し、「主体の血統を継承」する重要性を強調した。具体的には、故金日成主席、金正日総書記、そして3代目の金正雲氏(?)への偉大な継承を意味する(金総書記は数年前、「3代で政権が世襲されれば、世界の笑いものになるだけだ」と自ら述べていたのに、なんて水を差すつもりはない)。
「偉大」というべきかどうかは別問題として、「継承」は間違いない。共産主義では世襲制は絶対受け入れられないが、主体思想を国是とする北朝鮮では久しく共産主義と別離しているから、「世襲」ゆえに批判されることはないだろう。もちろん、日本の「世襲」議員と同様に、「世襲」最高権力者といわれて揶揄される心配もない。
ところで、故金日成主席から政権を継承した金総書記は当時、「遺訓統治」を実施して権力を固めていった。抗日パルチザン闘争を体験しなかった金総書記は父親の遺訓を前面に出して不足する指導者としてのカリスマ性を補っていったことは周知の通りだ。
さて、偉大な継承の3代目となる金正雲氏(?)は血統以外で何を父親から継承するのだろうか。北朝鮮の国民経済が昨年度、3・7%のプラス成長を遂げた(韓国中央銀行発表)といっても、同民族の韓国経済の比ではない。毎年、国際機関から食糧支援を受けないと生存できない国家が正雲氏の眼前に横たわっているのだ。
情報の信頼性は別として、キングメーカーの張成沢・労働党行政府長から後継意思を問われた長男・正男氏や次男の正哲氏は「後継の意思はない」と断ったという。もっともな話だ。
明確な点は、3代目が継承できるものは、「先軍政治」の成果といわれる数基の核兵器だけだろう。核兵器こそ、正雲氏が父親から譲り受ける数少ない贈物なのだ。
参考までに言及するが、「朝鮮半島の非核化」は故金主席の「遺訓」の核をなしていたはずだ。その遺訓を継承した金総書記は核兵器の実験を行った。そして今、3代目は祖父の遺訓を破った父親・金総書記から核兵器を継承するのだ。この矛盾と対立を内包した継承こそ、北流の「偉大な継承」というのだろう。
「偉大」というべきかどうかは別問題として、「継承」は間違いない。共産主義では世襲制は絶対受け入れられないが、主体思想を国是とする北朝鮮では久しく共産主義と別離しているから、「世襲」ゆえに批判されることはないだろう。もちろん、日本の「世襲」議員と同様に、「世襲」最高権力者といわれて揶揄される心配もない。
ところで、故金日成主席から政権を継承した金総書記は当時、「遺訓統治」を実施して権力を固めていった。抗日パルチザン闘争を体験しなかった金総書記は父親の遺訓を前面に出して不足する指導者としてのカリスマ性を補っていったことは周知の通りだ。
さて、偉大な継承の3代目となる金正雲氏(?)は血統以外で何を父親から継承するのだろうか。北朝鮮の国民経済が昨年度、3・7%のプラス成長を遂げた(韓国中央銀行発表)といっても、同民族の韓国経済の比ではない。毎年、国際機関から食糧支援を受けないと生存できない国家が正雲氏の眼前に横たわっているのだ。
情報の信頼性は別として、キングメーカーの張成沢・労働党行政府長から後継意思を問われた長男・正男氏や次男の正哲氏は「後継の意思はない」と断ったという。もっともな話だ。
明確な点は、3代目が継承できるものは、「先軍政治」の成果といわれる数基の核兵器だけだろう。核兵器こそ、正雲氏が父親から譲り受ける数少ない贈物なのだ。
参考までに言及するが、「朝鮮半島の非核化」は故金主席の「遺訓」の核をなしていたはずだ。その遺訓を継承した金総書記は核兵器の実験を行った。そして今、3代目は祖父の遺訓を破った父親・金総書記から核兵器を継承するのだ。この矛盾と対立を内包した継承こそ、北流の「偉大な継承」というのだろう。