国際原子力機関(IAEA)広報部は24日夜、ドナウ河沿いのレストランでグリル・パーティを主催した。ゲストは招待されたジャーナリストたちだ。ただし、招待状を受け取ったジャーナリストもいる一方、敏腕記者として著名なジャーナリストには招待状が届かない、といったこともあった。招待状をもらって喜ぶジャーナリストもいる一方、「なぜ、俺には招待状が来ないのか」と激怒する国連記者たちもいた。
 パーティの当日は生憎、雨降りでゲストも50人程度。パーティの開始が遅れたために、グリルが始まる前に帰っていった記者たちも多かった。
 問題は、IAEA広報部がジャーナリストを「ベストフレンドたち」と「そうではない記者たち」に分け、前者だけを常に優先するやり方だ。
 「個人企業や民間企業ならば当然だが、国連機関の、それも広報部がジャーナリストを選択し、招待状を送るというやり方は良くない」
 「IAEA事務局は理事会で予算のアップを要求しているが、広報部の浪費を先ず止めてから要求すべきだ」といったきつい声も聞かれる。
 IAEAではコンフィデンシャル情報が部外に流れるケースが絶えず、外交文書が広報部員と交遊しているジャーナリストたちに筒抜けとなっている事態は普通ではない。
 情報は武器だ。その情報を巧みに使い分け、親密な関係のあるジャーナリストたちを優先し、そうではないジャーナリストたちを疎外するやり方は、少なくとも国連機関の広報部としては失格だろう。
 国連機関の広報部はコンフィデンシャル情報に対する管理能力と、同時に公平な広報活動が要求される。IAEA広報部の抜本的な刷新を期待する。