ドイツの連邦首都ベルリン市で26日、公立学校で宗教授業を倫理と対等の選択科目にするかを問う住民投票が実施されたが、反対が51・3%を獲得し、賛成は48・5%に留まった。投票率は29・2%だった。その結果、宗教授業の公共学校導入案は却下された。
 宗教授業の導入を要求する市民運動「プロ・リリ(Pro Reli)」は昨年、署名活動を実施。住民投票実施に必要な17万人の署名を集めた。「プロ・リリ」の要求が受理されるためには、ベルリン市の有権者数245万人の4分の1、約61万2000人の市民の支持が必要だった。
 ベルリン市の公立学校では2006年から、第7学年から倫理が義務科目となり、実施されてきた。一方、宗教(この場合、カトリック、プロテスタントなどを含む宗教一般)は補助科目に過ぎなかった。
 それに対して、ベルリン市民の間から公立学校で宗教授業を第1学年から実施すべきだという声が高まり、「プロ・リリ」(Pro Reli)という市民運動が結成された経緯がある。
 独カトリック教会司教会議のツォリチィ議長(大司教)や新教のフーバー監督は失望を表明する一方、「公共の場で宗教と倫理問題に関する活発な論議が行われたことは有意義であったし、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教が協力しあったことは大きな成果だ」と評価している。
 ちなみに、宗教授業導入反対派は「公共学校で宗教授業が実施されれば、宗教根本主義者を強化、拡大させるだけだ」などと主張してきた。
 最後に、「プロ・リリ」の提唱者クリストフ・レーマン氏は「住民投票の結果はベルリンが2分されていることを端的に物語った。西ベルリンでは賛成派が過半数を越えた一方、東ベルリンではその逆の結果だった。東西両ベルリン市の再統合から20年が経過したが、ベルリン市は依然、分裂している」と述べている。