北朝鮮ナンバー2とみられている張成沢労働党行政府長が先月、フランス、イタリア、スイスの欧州3国を訪問したという。韓国の連合ニュースが発信元だ。
 張成沢氏の訪欧目的については、当方はこのコラム欄で「海外資金の管理が主要目的」という憶測を紹介したが、欧州で北朝鮮問題を担当する韓国国家情報院の知人は「連合ニュースの情報は誤報だ」と一蹴した。
 その理由を聞くと、「張成沢は目下、超多忙な指導者だ。国を留守できるほど余裕はないはずだ」と説明する。
 もちろんだ。金正日労働党総書記を治療したフランス医者団に会ったり、イタリアの実業家と再会するために、張氏はわざわざ訪欧する必要はない。その点は当方も同感だ。ただし、欧州の金ファミリーの隠し資金の管理ならは事情は少し違うはずだが、知人は「張氏の訪欧自体が間違いだ」と、繰り返し強調したのだ。
 欧米メディア関係者ならば、金正哲氏(金総書記の二男)に関するニュースを金正雲氏(同三男)に関する情報と間違うことは十分、考えられる(過去、その種の人違い情報があった)。しかし、韓国の通信社ならば、訪欧中の北の人物が張成沢かどうかのチェックは実施済みのはずだ。それとも、連合ニュースが主張する「北消息筋」はそもそも架空の存在だったのか。
 当方は「普段は慎重な知人がどうして今回、自信をもって主張するのか」という点に関心がいった。張氏の訪欧目的が欧州の金ファミリーの隠し資金の管理であったならば、知人はメディア関係者には当然、詳細な情報を隠すだろう。
 「張成沢の訪欧」について、もう暫く結論を下すのを見合わそうと考えている。