ローマ法王べネディクト16世は、法王就任初のイスラエル訪問を今年5月に予定してきたが、それが実現するかどうか、怪しくなって来た。バチカンとイスラエル両国関係がここにきて再び険悪化してきたからだ。イスラエルの英字紙エルサレム・ポストは27日、社説の中でバチカン法王庁への抗議として、「駐バチカンのイスラエル大使を帰国させるべきだ」と提案しているほどだ。
 両国関係が険悪化した理由は一つだけではない。
 �)_Δ郎7遒貌�り、教会から破門したカトリック教会根本主義者故ルフェーブル大司教の聖職者グループ「兄弟ピウス10世会」の4人の司教に対する破門宣言を撤回する教令を出したが、4人の司教の中にホロコーストを否定する発言をした聖職者が含まれている(英国のリチャード・ウイリアムソン司教)。
 �∨_Δ�トリエント・ミサを認めた結果、聖金曜日(キリストの受難日)の祈りの中でユダヤ人の改宗を促す祈りが復活した。
 ��ドイツ出身のローマ法王は第2次世界大戦時のローマ法王ピウス12世の列副を推し進めている。同12世はナチス政権のユダヤ人虐殺に対し沈黙してきた、としてユダヤ人社会から批判がある―等が考えられる。
 前法王ヨハネ・パウロ2世はイスラエルとの関係改善に努力してきたが、べネディクト16世が2005年4月、法王に就任して以来、両国関係は再び緊迫してきた。今回のルフェーブル派聖職者の破門宣言撤回の教令は世界のユダヤ人社会を怒らせたといわれる。それだけに、べネディクト16世のイスラエル訪問が延期されたとしても不思議ではない(オーストリア日刊紙ザルツブルガー・ナハリヒテン)と受け取られ出している。