米国発の金融危機は東欧諸国まで波及し、冷戦時代には「改革の模範国」との評判を享受してきたハンガリーの国民経済が窮地に陥っていると聞いた。そこで早速、ウィーン国際比較経済研究所(WIIW)のハンガリー経済担当上級研究員のシャンドール・リヒター博士に会って、現状や問題点について聞いてきた。
博士は「ハンガリーが巨額の公的債務を抱えていること、これまで政府発行の国債を売って返済や利子を支払ってきたこと、しかし、金融危機で外国投資家の投資意欲が減退。それを受け、政府は国債を発行できなくなったこと、過去の返済支払いが不能状態に一時陥ったこと、国際通貨基金(IMF)などの緊急支援を受けてようやく危機脱出の見通しがついてきたこと」等、経済記者ではない当方にも理解できるように説明してくれた。
博士によると、ハンガリーの銀行は健在で、不良債務などを抱えていないという。その点、欧米の銀行とは違う。同国にとって不幸だったことは、ジュルチャー二政権が2006年以降、緊縮政策を実施中であったために、国民経済へのダメージが一層深刻化したわけだ。財政赤字の解消、それに伴う緊縮政策は一応成果を挙げていた。そこに米国発の金融危機が襲ってきた。
博士は「経済を予測するのが難しい時代となってきた。通常、経済予測を立てた場合、それは1年間通じて大きな修正は必要ないが、現在は違う。私自身、過去3カ月間で、3度予測を修正せざるを得なくなったほどだ」と苦笑した。博士の予測では、ハンガリーの本年度経済成長率は1・3%。そして来年度はマイナス1%成長とみている。軽いリセッションに入るわけだ。博士は「私は楽天主義者だ。ハンガリー経済は2010年には3%成長まで回復できると予想している」と付け加えた。
博士からもらった名刺の裏側をみると、文字が日本語で印刷されていたのに気がついた。当方が日本語名刺を読み上げると、博士はとても嬉しそうに「いいでしょう」といって笑った。博士はマジャール出身の親日派エコノミストだ。
博士は「ハンガリーが巨額の公的債務を抱えていること、これまで政府発行の国債を売って返済や利子を支払ってきたこと、しかし、金融危機で外国投資家の投資意欲が減退。それを受け、政府は国債を発行できなくなったこと、過去の返済支払いが不能状態に一時陥ったこと、国際通貨基金(IMF)などの緊急支援を受けてようやく危機脱出の見通しがついてきたこと」等、経済記者ではない当方にも理解できるように説明してくれた。
博士によると、ハンガリーの銀行は健在で、不良債務などを抱えていないという。その点、欧米の銀行とは違う。同国にとって不幸だったことは、ジュルチャー二政権が2006年以降、緊縮政策を実施中であったために、国民経済へのダメージが一層深刻化したわけだ。財政赤字の解消、それに伴う緊縮政策は一応成果を挙げていた。そこに米国発の金融危機が襲ってきた。
博士は「経済を予測するのが難しい時代となってきた。通常、経済予測を立てた場合、それは1年間通じて大きな修正は必要ないが、現在は違う。私自身、過去3カ月間で、3度予測を修正せざるを得なくなったほどだ」と苦笑した。博士の予測では、ハンガリーの本年度経済成長率は1・3%。そして来年度はマイナス1%成長とみている。軽いリセッションに入るわけだ。博士は「私は楽天主義者だ。ハンガリー経済は2010年には3%成長まで回復できると予想している」と付け加えた。
博士からもらった名刺の裏側をみると、文字が日本語で印刷されていたのに気がついた。当方が日本語名刺を読み上げると、博士はとても嬉しそうに「いいでしょう」といって笑った。博士はマジャール出身の親日派エコノミストだ。