「金総書記は自分で歯を磨く事は出来る」というニュースに接した時、北朝鮮最高指導者・金正日労働党総書記の統治能力は予想以上に緩みだしている、という思いにさせられた。もちろん、そのニュースが事実とすればの話だが、金総書記の「脳卒中」説から「回復の途上説」(韓国の金成浩・国家情報院長)、「一部痙攣が残っている」といった情報を聞くたびに、金総書記は既に独裁者としての絶対権力を手放しつつある、と強く感じる。
北朝鮮ではこれまで、最高指導者の健康問題は最高の国家機密だった。金総書記の健康について、答えられるのは本人以外にいなかった。第3者が「金総書記は高血圧に悩まされている」といったら、それこそ後で大変だった。せいぜい、「健康悪化説は米韓の謀略だ」(同国ナンバー2の金永南最高人民会議常任委員長)とお茶を濁すだけだったのだ。
それがここにきて、金総書記の健康状況が連日、かなり詳細に流れてきているのだ。そのニュース・ソースはズバリ、訪朝した5人の中国医者団であり、それを管轄している中国政府筋に違いない。米韓両国は中国筋から金総書記の近況情報を入手しているはずだ。
金総書記は自身の健康問題を掌握する力を失う一方、付き添いの人間たちも金総書記の健康情報を中国医者団の手に握られてきたのだ。換言すれば、金総書記の健康情報を完全に掌握できる中国側は、同総書記の後継者問題に絶大の影響力を行使できる立場にもあるわけだ。ちなみに、後継者争いで金正男氏(金総書記の長男)が台頭してきた、という情報は、正男氏が中国指導部と密接な関係を持っていることからくる推測情報だろう。
金総書記の統治能力の喪失は同総書記の健康問題だけではない。非核化プロセスにも遅かれ早かれ波及してくる問題だ。米韓日は「ポスト金総書記の北朝鮮問題」に対応すべき万全の体制を早急に整えなければならない。
北朝鮮ではこれまで、最高指導者の健康問題は最高の国家機密だった。金総書記の健康について、答えられるのは本人以外にいなかった。第3者が「金総書記は高血圧に悩まされている」といったら、それこそ後で大変だった。せいぜい、「健康悪化説は米韓の謀略だ」(同国ナンバー2の金永南最高人民会議常任委員長)とお茶を濁すだけだったのだ。
それがここにきて、金総書記の健康状況が連日、かなり詳細に流れてきているのだ。そのニュース・ソースはズバリ、訪朝した5人の中国医者団であり、それを管轄している中国政府筋に違いない。米韓両国は中国筋から金総書記の近況情報を入手しているはずだ。
金総書記は自身の健康問題を掌握する力を失う一方、付き添いの人間たちも金総書記の健康情報を中国医者団の手に握られてきたのだ。換言すれば、金総書記の健康情報を完全に掌握できる中国側は、同総書記の後継者問題に絶大の影響力を行使できる立場にもあるわけだ。ちなみに、後継者争いで金正男氏(金総書記の長男)が台頭してきた、という情報は、正男氏が中国指導部と密接な関係を持っていることからくる推測情報だろう。
金総書記の統治能力の喪失は同総書記の健康問題だけではない。非核化プロセスにも遅かれ早かれ波及してくる問題だ。米韓日は「ポスト金総書記の北朝鮮問題」に対応すべき万全の体制を早急に整えなければならない。