ローマ・カトリック教会最高指導者、ローマ法王べネディクト16世は12日から15日までフランスを訪問中だ。13日午後からはフランス南西部の小村ルルドを訪れている。人口1万6000人余りの小村ルルドで1858年、聖母マリアが14歳の少女、ベルナデッタ・スビルーに顕現して今年で150周年目を迎えた。聖母マリアのルルド顕現150周年を記念して、べネディクト16世は15日まで同地を巡礼する。
 羊飼いの少女ベルナデッタは喘息で悩まされていた。少女が牧場で独りでいた時、白服の聖母マリアが黄金の雲の中から現れ、洞穴の傍に教会を建てなさいを語りかけた。その2週間後、聖母マリアは少女にマッサビエルの洞穴から湧く水を飲みなさいと指示。そこで少女は洞穴の土を掘ると、鉱泉が湧き出てきたという。病む多くの人々を癒す「ルルドの水」の誕生だ。ルルドは、ポルトガルの羊飼いの3人の少女に聖母マリアが再臨した“ファティマ”(1917年5月)と共に、聖母マリアの再臨地として最も有名な巡礼地だ。
 バチカン放送によると、1858年以来、ルルドの水を飲んで6500回以上の癒しが記録されている。その内、66回はバチカン法王庁が公式に奇跡と見なしている。ルルドには毎年、約400万人が訪れているが、150周年の今年は600万人の巡礼者が訪れると予想されているほどだ。
 巡礼者には病人や老人たちが多いが、若者たちの姿も少なくない。教会関係者は「若者たちは奇跡を追体験したがっている。科学文明が席巻する今日、若者たちは奇跡に飢えている」と証言する。
 べネディクト16世のパリでの記念礼拝には、約26万人の信者たちが集まったが、その時の礼拝テーマは「信仰と知性」だった。これは決して偶然ではないだろう。べネディクト16世は「知性と信仰は対極するものではない」と述べている。