ドイツの「イスラム古文書中央研究所」が先日公表したところによると、ドイツに住むイスラム教徒数が昨年、350万人を超えた。2006年度比で約6・5%増だ。イスラム教に改宗したドイツ人の数は約2400人に留まり、約4000人と記録を更新した前年度より減少した。ちなみに、欧州で最もイスラム系住民が多い国はフランスで約500万人。ドイツがそれにつづき、第3位は英国で約160万人と推定されている。
 同時期に公表された意識調査結果によると、ドイツのイスラム教徒の83%がキリスト教とイスラム教の対話を「非常に重要」と考え、13%が「重要」と受け取っている。また、70%がユダヤ教とイスラム教の対話に参加する考えがあると答え、19%だけが対話を拒否している。
 このような情報から推測できる点は、ドイツ居住のイスラム教徒の大多数が通称“ユーロ・イスラム”と呼ばれる世俗イスラム教徒であり、イスラム教根本主義の過激な信者ではない。
 ドイツ居住のイスラム系住民の出身国は約40カ国で、その大多数はトルコ系出身者で約260万人と推定される。それについて、ボスニア系出身、アラブ諸国出身、パキスタン系出身と続く。宗派としては大多数がスン二派に属するが、約17万人がイラン系シーア派、約40万人がトルコ・クルド系だ。ちなみに、イスラム系住民が最も多い州はノルトライン・ウェストファーレン州で約110万人。一方、旧東独にはイスラム系住民は非常に少ない。
 独連邦憲法擁護庁(BfV)のハインツ・フロム長官は今年初め、「根本主義と全体主義の狭間のイスラム主義」というタイトルのセミナーで、同国でイスラム主義現象はBfV関係者にとって「トップ・アジェンダだ。ドイツはもはやイスラム系テログループの背後支援拠点ではなく、工作拠点となっている」と警告を発したが、その一方、ドイツのイスラム系社会では今日、移住世代の2世、3世が中核となりつつあり、多くの若きイスラム教徒たちはアイデンティティの危機に直面しているといわれる。